(『天然生活』2024年11月号掲載)
タンパク質を摂ると体にいい3つの理由
「忙しい日々でもパワフルに活動でき、疲れにくく、病気にかかりづらい体をつくるためには、タンパク質が鍵です」と話すのは、今回のレシピを教えてくれた長谷川弓子さん。
「年齢を重ねると、筋肉をつくる効率が悪くなり、タンパク質が不足しがちになります。意識的に摂らないと、新陳代謝が悪くなったり、スタミナが不足したり、脳の働きが悪くなって思考力が落ちるなどの不調を引き起こします。また、体の調節機能が働かなくなり、冷え性になったり、むくんだり、髪や肌が乾燥してカサカサになることも」

40代で出産し、3歳のお子さんを育てながら、大学で教鞭もとって……とパワフルな長谷川さん
さらに筋肉量が減ってしまうと、フレイル(虚弱)につながることもあるのだそう。
成人女性は1日に50gの摂取が推奨されている(『日本人の食事摂取基準2020年版』参照)タンパク質ですが、摂り方には注意点も。
「タンパク質は一度にたくさん摂ると肝臓に負担がかかります。体内にためておくこともできないので、毎回の食事でしっかり摂ることが必要です」
〈タンパク質が体にいい理由 その1〉
筋肉を強くする
食事で摂ったタンパク質は、体内でアミノ酸に分解され、それから再合成されて、筋肉などの体づくりに使われます。
加齢とともに筋肉をつくる効率は悪くなるといわれ、若い時と同じ量を食べていても筋肉がやせてしまいがちに。
しっかり摂ることで、筋肉を強くします。
〈タンパク質が体にいい理由 その2〉
内臓や血液など、体を構成するものをつくる
人間の体の約20%がタンパク質でできていて、水分以外では一番多い割合を占めています。
タンパク質は、体内で常に合成と分解を繰り返し、筋肉や骨だけでなく、血液や血管、皮膚、髪の毛、爪など、体のあらゆる組織をつくっている、欠かせない栄養素のひとつです。
〈タンパク質が体にいい理由 その3〉
免疫機能や、病気への抵抗力を高める
免疫細胞である白血球や「抗体」を構成するのもタンパク質です。
風邪やインフルエンザといった病気への抵抗力や、ケガからの治癒力といった免疫機能にとって、タンパク質は大切な栄養素です。
免疫細胞の十分な量と質をキープすることで、免疫力を高めます。
〈料理・スタイリング/長谷川弓子 撮影/山田耕司 取材・文/尾﨑真佐子〉
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
料理家・栄養士。近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学びながら、「柳原料理教室」のアシスタントを務めた。現在、聖徳大学短期大学部の准教授として、調理実習などの授業を担当している。著書に、『季節の魚料理』(扶桑社)がある。
インスタグラム@haseyumi79
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです