• 「よく眠れない」という悩みを抱えている方は、年齢ではなく“呼吸の乱れ”が原因かもしれません。睡眠時の呼吸が整えば、眠りと体調にうれしい変化が。自身の体験から睡眠と呼吸を研究し、寝具の開発に取り組んだトラタニ株式会社・虎谷生央さんに、医師監修のもと、枕が呼吸に与える影響について教えていただきました。
    (『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』より)

    枕が呼吸を邪魔する3つの要素

    首はいちばん後ろに頸椎骨があり、その前に食道があり、さらにその前に気管があります。

    画像: 首の構成

    首の構成

    気道の前側は軟骨に覆われていて外からの圧力に強い反面、後ろ側は食べたものや飲んだものが通るため柔らかい構造をしています。

    寝入ると、筋肉同様に気管も弛緩するので、弱い呼吸で気管内圧が下がり、体圧によって気管が扁平につぶれるようになると考えられます。

    さらに、体圧がかかっている場所の筋肉は動きづらくなります。首のまわりには胸鎖乳突筋、斜角筋など、横隔膜や肋間筋の動きをサポートする筋肉が集まっています。

    首のまわりの筋肉の動きが鈍れば、横隔膜や肋間筋の動きも悪くなるということです。睡眠中の筋肉は、首のまわりの筋肉に限らず、必要最低限の動きだけになるお休みモード。体圧がかかると、さらに仕事をしなくなります。

    画像: 吸息筋と呼息筋

    吸息筋と呼息筋

    整理すると、枕が呼吸を邪魔する要素は次の3つです。

    ①頭が首の位置より高くなることで、気道の上のほうが折れる

    ②首にかかる体圧で気道が狭くなる

    ③首にかかる体圧で呼吸のときに働く筋肉が動きづらくなる

    これだけの要素が重なるのですから、起きているときと同じように呼吸ができないのは当然です。

    起きているときに「いびきをしろ」といわれてもできないのは、気道がしっかり解放されているからです。

    いびきは、気道が狭くなることで発生するといわれています。いびきを指摘されたことがある人は、もしかすると枕を変えるだけで解消するかもしれません。

    頭が高くなる枕なら、使わないほうがいい。寝ているときの呼吸のためなら、そう言ってもいいほどです。枕を選ぶ際は、口が開かない、アゴが下がらないことが重要です。

    本記事は『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(あさ出版)からの抜粋です

    〈 イラスト/ナカミツデザイン 監修/青木晃(内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医)〉

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    『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(虎谷生央・著 青木晃・監修/あさ出版)

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    虎谷生央(とらたに ・いくお)
    トラタニ株式会社 代表取締役社長。2005年「トラタニ株式会社」を設立。60代後半での自身の不眠や心房細動などの体調不良がきっかけとなり、普段無意識にしている呼吸の中でも、特に「睡眠中の呼吸の質」が健康に大きな影響を与えていることに着目。あらゆる健康法や寝具を試す中で、「寝具の体圧が呼吸を妨げている」という構造的課題を発見。5年に及ぶ独自の試行錯誤と特許出願を経て、世界初の呼吸促進寝具「トラタニ好循環寝具」を開発。現在は「呼吸と睡眠で健康寿命を伸ばす」ことをライフワークとし、商品開発・講演・執筆活動を通じて“呼吸の再発見”を広く社会に発信している。

    青木晃(あおき・あきら)
    内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医、一般社団法人日本美容内科学会理事長/一般社団法人日本健康医療学会常任理事、一般社団法人日本ウェルエイジング検定協会理事、一般社団法人日本抗加齢医学会評議員、元順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授。代謝・内分泌内科医として防衛医科大学校、旭川医科大学、自衛隊中央病院などで糖尿病、肥満症の臨床・研究に従事。1995年の地下鉄サリン事件では、当時勤務していた自衛隊中央病院から応援として、多くの患者が搬送された聖路加国際病院に派遣され自衛隊医官として従事。現場において初期治療の的確なアドバイスを指示することで、多くの患者の命を救う。抗加齢医学の第一人者として、雑誌やテレビなどのメディアでも活躍している。著書多数あり。



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