• 自然とつながり、家族と力を合わせて。小さな葉っぱから幸せの循環が広がる、徳島県の小さな町を訪ねました。お話を伺うのは、料理にあしらう「つまもの」のブランド「彩(いろどり)」の仕事を行う女性のひとり、竹中充代さんです。
    (『天然生活』2024年11月号掲載)

    小さな町を支えるおばあちゃんたちの「葉っぱビジネス」

    徳島市から車で1時間ほど。山に囲まれた上勝(かみかつ)町は、料理にあしらう「つまもの」の一大産地です。

    「彩(いろどり)」というブランドを掲げ、木の葉や花、山菜や稲穂など約300種類を生産しています。

    画像: 「彩」の商品。葉はきれいにパッキングして出荷。上は稲穂、左からもみじ、つばきの葉、ひば。花の場合は、開花した状態で料理に添えられるように、つぼみで出荷

    「彩」の商品。葉はきれいにパッキングして出荷。上は稲穂、左からもみじ、つばきの葉、ひば。花の場合は、開花した状態で料理に添えられるように、つぼみで出荷

    町を支えるこの「葉っぱビジネス」を担うのは、主に70代の女性たち。

    農家に嫁ぎ、棚田での米づくりや柑橘栽培に長年従事してきた竹中充代さんもそのひとりです。

    「ずっと農閑期にやっとったけど、5年くらい前から『彩』が中心です。米や果樹の収穫は重くてもう大変でね。葉っぱや花はたくさん採っても軽いもんだし、パック詰めは雨でも雪でもできて、年じゅう出荷するものがある。ありがたいですよ」

    画像: つまもののブランド「彩」の仕事を行う、竹中充代さん。一年を通して出荷できるもみじを収穫。「ご先祖さんが植えてくれた木を大事に手入れしてやってます」

    つまもののブランド「彩」の仕事を行う、竹中充代さん。一年を通して出荷できるもみじを収穫。「ご先祖さんが植えてくれた木を大事に手入れしてやってます」

    標高550メートルに位置する「たけなかファーム」では、もみじ、ひいらぎ、梅や桜、稲穂など約50種類のつまものを扱います。

    そのほとんどが、先代が植えた花木と、山に自生するもの。

    標高が高く虫がつきにくいため、消毒剤を使わず自然を生かすのが竹中さんのこだわりです。

    「消毒しないで生き延びた葉はピンとして立派ですよ。風向きや日当たりでも葉っぱに傷みが出るから、毎日様子を見てやります。木は時間がかかるもの。地道にやるしかないんですよ」



    〈撮影/村上伸明 取材・文/熊坂麻美〉

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.