• 野菜や保存食をつくったり、シェアしたり。支え合い、自然とともに営む暮らしからは真の豊かさとは何なのかが伝わってきます。今回は、手づくり暮らし研究家の美濃羽まゆみさんに、町内会の活動や地蔵盆など、行事を通して人とのつながりを育む日々を伺いました。
    (『天然生活』2024年11月号掲載)

    おいしいものも子育ても、地域で分かち合いながら

    京都・西陣での町家暮らしも17年目という美濃羽まゆみさん。

    かつて幼い娘と訪れ、行き交う人の温かさに触れたことが、ここで暮らすきっかけとなりました。

    「道端やスーパーで、見ず知らずの方が気さくに声をかけてくれて。こういう場所で子どもを育てたいと思って、引っ越してきました」

    画像: 自由に持ち帰ってもらえるように、軒先に野菜を並べる美濃羽さん。玄関先には小さな図書コーナーも新設

    自由に持ち帰ってもらえるように、軒先に野菜を並べる美濃羽さん。玄関先には小さな図書コーナーも新設

    予想通り、この地域では町内会の活動も活発で、たとえば京都の昔ながらの夏の行事、地蔵盆も大いに盛り上がるそう。

    地蔵盆は町内にある子どもの守り神、お地蔵さんをお祀りする行事ですが、お菓子が配られたり福引きがあったり、いわば子どもが主役の縁日。

    時代とともに縮小傾向になりつつも、美濃羽さんの町内では毎年春から会合を重ね、ビンゴ大会や流しそう麺を企画するなど、みんなで協力し合って開催しています。

    「うれしいことに、この地域は子どもも年々増えていて、皆さんと思い切り楽しんで参加しています。何より地域の方とつながりをもてると心強い。より地に足が着いた暮らしができるように感じます」

    新しい暮らしの形
    地蔵盆で町内の人々と交流

    美濃羽さんの町内で、毎年8月に行われている地蔵盆。

    「お坊さんにお経をあげていただき、子どもたちの健やかな成長を願って町内のお地蔵さんにお参りします。子どもたちはおやつがもらえるので、楽しみにしていますね」

    画像: 子どもたちの名前が記された提灯が灯る会場。「当日の朝に町内の人が総出で祭壇をつくり、お供えをします」。赤ちゃんから年配の方まで町内の人が集う

    子どもたちの名前が記された提灯が灯る会場。「当日の朝に町内の人が総出で祭壇をつくり、お供えをします」。赤ちゃんから年配の方まで町内の人が集う

    この地蔵盆をはじめ、町内の集まりや活動に積極的に関わり、ご近所さんとのつながりを大切にしています。

    画像: 地蔵盆の日は浴衣で遊ぶ子どもたちの姿も。流しそう麺や輪投げなど、ご近所さんと分担して、子どもが喜ぶような企画を毎年準備するそう

    地蔵盆の日は浴衣で遊ぶ子どもたちの姿も。流しそう麺や輪投げなど、ご近所さんと分担して、子どもが喜ぶような企画を毎年準備するそう

    * * *



    <撮影/原 祥子 取材・文/山形恭子 構成/鈴木理恵>

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    洋裁作家、手づくり暮らし研究家。家族とともに京町家で暮らす。2008年より手がける洋服ブランド「FU-KO basics.」の受注会を開催するほか、子どもの居場所「くらら庵」での活動など多方面で活躍。『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』(扶桑社)、『みんなで着たい、手づくり服』(日本ヴォーグ社)など著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.