(『天然生活』2024年12月号掲載)
冬の不調を整えるスープ
寒い冬は、冷えや乾燥で体の抵抗力が落ちて、「腎」が弱りやすい季節。そんな冬の不調を整えるスープを、「穂高養生園」の鈴木愛さんに教えていただきました。
「体にやさしい食事」「適度な運動」「心身の深いリラックス」の3つのアプローチで自然治癒力を高めることを目的とした宿泊施設「穂高養生園」では、週3回、朝ごはんに一汁一菜のお膳を用意しています。
「大きめの野菜もやわらかく煮れば、消化に負担をかけにくく、水に流れる栄養も丸ごといただけます」。体調が悪くても手順が少なくつくりやすいのも、スープのいいところとも。
「何だか調子が悪いと感じたときにまずおすすめなのは『ピリ辛味噌汁』。体を芯から温めて早めにゆっくり養生することが大切です」野菜の栄養がたっぷりのスープで、冬の不調を整えましょう。
「ピリ辛味噌汁」のつくり方

素材の甘味がじんわりしみ出たやさしい味わいの味噌汁。少量の辛味をプラスして、体の芯から温まります。
材料(2~3人分)
| ● 厚揚げ | 1/2枚(約170g) |
| ● さつまいも | 120g |
| ● こんにゃく | 60g |
| ● 玉ねぎ | 小1個 |
| ● にんじん | 40g |
| ● しめじ | 1/2株(約60g) |
| ● にら | 20g |
| ● 太白ごま油 | 大さじ1 |
| ● 昆布のだし汁 | 400mL |
| ● 味噌 | 大さじ2~3(好みで調整する) |
| ● 豆板醤 | 小さじ1 |
| ● 七味とうがらし | 少々 |
つくり方
1 こんにゃくは塩適量(分量外)でもみ、5分ほどゆでてあく抜きをする。厚揚げは湯どおしをして手で食べやすい大きさにちぎる。さつまいもは厚めのいちょう切り、にんじんとこんにゃくはたんざく切り、玉ねぎは薄切り、しめじは石づきを取って小房にほぐしておく。にらは2cm長さに切る。
2 鍋にごま油を入れ中火にかける。油が温まったら、玉ねぎと塩ひとつまみ(分量外)を入れて炒める。
3 玉ねぎがしんなりとしたら、こんにゃく、しめじ、にんじんの順に重ねて鍋に入れて、だし汁をひたひたに注ぎふたをして弱めの中火で煮ていく。だし汁がフツフツと沸いてきたら、さつまいもを加えてさらに煮る。
4 野菜に火がとおったら残りのだし汁と厚揚げを加えて中火にし、汁が温まったら、味噌と豆板醤で味をととのえる。
5 仕上げににらを加えてさっと火をとおして器に注ぎ、七味とうがらしをふる。
冬の不調を整えるポイント
にんじん、玉ねぎ、にらなど、体を温める食材をたっぷり使って。豆板醤と七味とうがらしをプラスして、さらに体がぽかぽかに。
〈料理/鈴木 愛 撮影/川村 隆〉

鈴木 愛(すずき・あい)
「冬草」主宰。安曇野のホリスティックリトリート「穂高養生園」で調理を担当するかたわら、東京で「ととのえるスープの会」を不定期開催。著書に『なんとなく不調をととのえるスープ』(世界文化社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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1.ピリ辛味噌汁




