• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。猫が集まって暖まる姿にほっこりします。

    暖かさが猫から猫へ伝わっていく

    ひんやり底冷えする季節……。

    最近、気がつくと猫たちがひとつの場所へ集まっています。

    ベッドの中に仕込んだ電気毛布の上。ぽかぽかとした陽だまりと、くたっとしたシーツの柔らかさが相まって、いつのまにか10匹中多い時は8匹がそこに集結してしまうのです。

    画像: みんなでホカホカに

    みんなでホカホカに

    誰が最初に陣取ったのかはわかりません。

    でも、その子があたためてくれた場所に、次の子がそっと腰を下ろし、さらに別の子が寄り添い、そうしてじわりじわりとぬくもりの輪が広がっていきます

    猫たちは、争いません。

    「私の場所」と主張する代わりに、ただ、寄り添います。

    くっつく子、端っこに乗る子、そっと毛づくろいをする子。年長のでかおが、ぐいーんと伸びる若いユキに場所を譲ることもあります。

    この光景を見ていると、優しさは言葉じゃなく、動きと空気で伝わるものなのだと感じるのです。

    画像: 最年長のでかおを毛づくろいする最年少サチ

    最年長のでかおを毛づくろいする最年少サチ

    猫に学ぶ、暖かさの循環

    人はつい、「自分で幸せを取りに行かなきゃ」と思いがちですが、猫たちは違います。

    あたたかい場所を見つけた子が、その場所をただ「のこしておく」。

    すると、そこに、次の幸せがやってくる。

    誰かが先にあたためてくれた場所へ、自然と集まっていく猫たちを見ていると、そんなふうに優しさが循環する暮らしがいいなあ、としみじみ思います。

    そして私も、私がいることで空気がやわらかくなるような、そんな陽だまりのような存在でありたい。そう感じさせてくれる日々なのです。

    今日も猫たちは、静かにぬくもりを共有しています。

    そこには、言葉も、ルールもありません。ただ、「いま、気持ちいい」があるだけなのです。

    画像: でかおのもふもふ肉球

    でかおのもふもふ肉球

    猫から学んだ【優しさの循環】のヒント

    ――誰かに優しくするって、実はとてもシンプル。

    ・誰かの居場所を奪わないこと

    ・無理に励まさず、そっとそばにいること

    ・「快適な空気」をつくること

    ・自分が整っている日だけ、優しさを渡すこと

    ・「完璧」より、「ぬくもり」を選ぶこと

    人も猫も、あたたかい場所があると、自然とそこに集まります。

    私たちもそう。あなたが今日つくった小さな陽だまりは、きっと誰かの心を、そっとあたためている。

    ただ生きているいまに、そっと、「YES」を届けたいのです。

    画像1: 猫から学んだ【優しさの循環】のヒント

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    画像2: 猫から学んだ【優しさの循環】のヒント

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

    ブログ「ちいさなチカラ」



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