(『天然生活』2025年1月号掲載)

自分のルーツを探す長い旅を支えてくれた温かい言葉
You’ll never find a rainbow
if you’re looking down.
下を向いていたら、虹を見つけることは絶対にできないよ。チャールズ・チャップリン(俳優・映画監督・プロデューサー)より
「喜劇王チャップリンの名言。俳優の枠を超え、監督・プロデューサーのすべてを担い、80本以上もの映画を世に送り出したそう。辛い生い立ちで苦労人ゆえのチャップリンの言葉は実に重みがあります」
私はインドネシアで生まれましたが、2歳のころ両親が離婚し、訳あって養父母に引き取られて日本で育てられました。
20年ほど前、子育ても一段落したころ、自分のルーツをきちんと知っておきたいという思いに駆られ、インドネシアのファミリーを探すことにしました。
当時はいまほどインターネットが盛んではなく、もちろんSNSなどもない時代でした。
大使館や役所に足を運んでも門前払いという日々が続き、挫折の連続でつい下を向いてしまうことが多かったと思います。
それから10年ほどかけてようやくインドネシア人の従兄弟を見つけ出し、ジャカルタの空港で涙の再会を果たしました。
長いようで短い10年を腐らず過ごせたのは、このチャップリンの言葉があったからです。
<イラスト/平野瑞恵 取材・文/結城 歩>

伊藤千桃(いとう・ちもも)
インドネシア人と日本のダブル。第5回ミス日本コンテストでグランプリを受賞。現在は葉山の自宅でレストラン「桃花源」を営む。著書は『千桃流・暮らしの知恵 自然の営みで美しく。』(主婦の友社)
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




