人生に迷ったとき、一歩を踏み出せないとき、頼りにしている言葉はありますか? 呪文のように唱えれば、うまくいくような気がする、そんな言葉を文筆家の大平一枝さんに教えてもらいました。今回は、本との出合いから得た気づきの言葉を紹介します。
(『天然生活』2025年1月号掲載)
(『天然生活』2025年1月号掲載)

本との出合いから得た気づきの言葉
選んだ瞬間から、本との縁は生まれる
本は心を耕す。「積ん読」も意味がある。
何十万冊とある中から選んだ。
その本とは縁がある。いつか読む時が来る。
「本屋 Title」店主・辻山良雄さんの言葉より
「自著の対談でお聞きして、ハッとしました。読めていない本がたくさんあると反省しがちだったのですが、もう手に取っているだけですごい出合いなんだ、と肯定されたような。これは人との出合いにもいえますね」
* * *

日々の小さな気づきを、大切に
初夏の風が気持いいなんて、(中略)
それがどうしてなのかという問いは、
若年の頃には立ちませんでしたね。それはたぶん自身が若さという
生命のさなかにあったからで、(中略)
だから当たり前すぎて気が付かなかったのだろう。でも、ようよう若さを失いつつあるこの年齢になって、
なんと驚くべき当たり前に気がついた。池田晶子著『暮らしの哲学』(毎日新聞出版)より
「この本自体が私のバイブルです。大切なことは過ぎてから気づくことが多いという教訓が美しく表現されています。日々の小さなことひとつひとつへの感謝や気づきの心を、私も常にもっていたいなと思います」
<イラスト/平野瑞恵 取材・文/結城 歩>

大平一枝(おおだいら・かずえ)
市井の生活者を独自の目線で描くルポや、失われたくない物事をテーマにしたエッセイ多数。朝日新聞デジタル版で連載中の『東京の台所』は連載12年目に。近著に『こんなふうに、暮らしと人を書いてきた』(平凡社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




