けんかではなく、議論をする
フランスで驚いたのは、「議論がけんかに発展しない」こと。
それは、多くのフランス人が議論を「対立」ではなく、「意見交換や学び」と捉えているからです。
夫も、たとえ意見が食い違っても決して感情的にならず、冷静に対話を続けます。
その様子はまさに夫婦げんかではなく、「夫婦議論」のよう。
一方、恥ずかしながら私は感情的になってしまいがちでした…。
なぜこの考えが根付いているのかというと、フランスでは日常で議論をする機会が多く、その際に「感情と意見を明確に分ける」姿勢が身についているから。
議論中に声を荒げたり、個人を攻撃したりすることはマナー違反とされ、意見と人格を切り離して考えることが自然に行われるのです。
しかし、かつての私は、反論されると自分自身まで否定されたように感じてしまっていました。
理由を考えると、日本の「調和」を重んじる環境で育ったことが影響しているのではないかと気づいたのです。
和を大切にする価値観は日本の強みですが、多様な意見や個々の違いを尊重する機会が少ない環境でもあったのかもしれません。
意見の違いに傷ついてしまう方は、家族やパートナーと「議論ゲーム」を試してみることをおすすめします。
たとえば、「学校の制服は必要か?」といった、賛成と反対で分かれやすいテーマを選び、意見交換をするのです。
ルールは、相手の意見に反論はするけれど、感情は挟まないこと。
そして最後に、相手の意見から学んだことを1つ伝えることです。
子どもたちは得意げに「お母さんの意見には賛成じゃないけれど、考え方を尊重するよ」「同意はしなくても、お母さんの考えは理解したよ」といったことを伝えてくれます。
このような声かけも、議論と感情を分けるコツなのかもしれません。
異なる意見を持つことを恐れず、むしろ歓迎するフランス人。
私たちも、意見交換を通じて学び合うことの大切さを見直してみませんか?
本記事は、『フランス人はママを理由に諦めない』(ロッコ・著)からの抜粋です。
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フランス在住ママの賢く手を抜き優雅に生きる暮らし方
9歳、7歳、1歳の3人の子どもたちと、フランス人の夫と暮らすロッコさん。完璧主義だったロッコさんがフランスで手に入れた賢く手を抜き優雅に生きる暮らし方を、フランスでの撮り下ろし写真とともに紹介します。
【フランスの人たちは、いい意味で「ちょうどよく」生きています。家事も、育児も、働き方も、ちゃんとするけれど、完璧は目指さない。子どもが泣いたって、予定通りできなくたって、「まあ、そんな日もあるよね」と笑う。その軽やかさに、私は何度も救われたように思います。】(「はじめに」より)
「火を使った朝ごはんはつくらない」
「子どもにヒマと言われたらあえて放っておく」
など、日本でもマネできることがたくさん。
頑張りすぎてしまうあなたに向けた、フランスからのメッセージです。
<Contents>
PART1 フランス流シンプルな暮らし 生活編
PART2 フランス流シンプルな暮らし 学び編
PART3 フランス流シンプルな暮らし コミュニケーション・考え方編
PART4 フランス流シンプルな暮らし ママの生き方編
ロッコ
東京都生まれ。現在はフランス・リヨン在住のデジタルクリエイター。フランス人の夫と3人の子どもとともに、5人家族で「肩の力を抜いた暮らし」を楽しむ。日本では完璧主義に縛られていたが、フランスでの日々の中で、「ちょうどいい、余白のある生き方」の大切さに気づく。Instagramでは「フランスでやめたこと」など、飾らないリアルな日常を発信し、多くの共感を集めている。現在は音声プラットフォームVoicyにて、フランスでの暮らしから歴史、環境問題、女性の生き方など、多彩なテーマを独自の視点で語っている。著書に『フランスでやめた100のこと』、『フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(ともに大和出版刊)がある。
Instagram:@rokko_france
Voicy:「フランス暮らし 手放して豊かに生きる」







