完璧よりも、心地よさを優先
完璧主義やネガティブな傾向がある私にとって、フランス人の振る舞いや価値観はどれも新鮮に映りました。
その中でも印象的だったのは、ものごとがうまくいかないことや何かに負けることを、決して深刻に捉えないということ。
フランスでは「負け=自分の価値が下がる」とは考えません。
ある友人は、「たとえ議論に負けても、自分の意見を述べられたということ自体に意味がある」と話しており、それは私にはない視点との出合いでした。
また、完璧を目指さない姿勢も学びが多いところ。
私はこれまで、「ミスをしない」「きちんとこなす」ことを無意識に目指していましたが、以前働いていたフランス人の同僚や上司は、「不得意があってもいい」「できないことは助けを求めればいい」と声をかけてくれたのです。
そこで、自分の限界や弱点を認めることは恥ずかしいことではなく、大人の振る舞いとされることを知ったのです。
それどころか、自分らしさを大切にし、肩の力を抜いて生きることのほうが重要視されているように感じ、働き方を見直すきっかけにもなりました。
こうした価値観は、日常生活にも色濃く表れています。
たとえば、仕事中であってもランチの時間はしっかり取り、休日には思い切り休む。
生産性や効率よりも、「生活の質」や「心の余裕」を優先する。
完璧を求めてストレスを抱えるよりも、自分のペースで心地よく過ごすことが何よりも大切だという信念を持って暮らしているのです。
フランス人の気負わない態度に触れたことで、私も少しずつ「完璧でなくても大丈夫」と思えるようになりました。
「失敗してもいい、できなくてもいい、むしろそれが自然だ!」と受け入れられるようになってから、心が軽くなり、人との関わり方や自分自身への向き合い方にも変化が生まれました。
完璧を手放した今、豊かでやわらかな生き方に近づいているように感じます。
本記事は、『フランス人はママを理由に諦めない』(ロッコ・著)からの抜粋です。
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フランス在住ママの賢く手を抜き優雅に生きる暮らし方
9歳、7歳、1歳の3人の子どもたちと、フランス人の夫と暮らすロッコさん。完璧主義だったロッコさんがフランスで手に入れた賢く手を抜き優雅に生きる暮らし方を、フランスでの撮り下ろし写真とともに紹介します。
【フランスの人たちは、いい意味で「ちょうどよく」生きています。家事も、育児も、働き方も、ちゃんとするけれど、完璧は目指さない。子どもが泣いたって、予定通りできなくたって、「まあ、そんな日もあるよね」と笑う。その軽やかさに、私は何度も救われたように思います。】(「はじめに」より)
「火を使った朝ごはんはつくらない」
「子どもにヒマと言われたらあえて放っておく」
など、日本でもマネできることがたくさん。
頑張りすぎてしまうあなたに向けた、フランスからのメッセージです。
<Contents>
PART1 フランス流シンプルな暮らし 生活編
PART2 フランス流シンプルな暮らし 学び編
PART3 フランス流シンプルな暮らし コミュニケーション・考え方編
PART4 フランス流シンプルな暮らし ママの生き方編
ロッコ
東京都生まれ。現在はフランス・リヨン在住のデジタルクリエイター。フランス人の夫と3人の子どもとともに、5人家族で「肩の力を抜いた暮らし」を楽しむ。日本では完璧主義に縛られていたが、フランスでの日々の中で、「ちょうどいい、余白のある生き方」の大切さに気づく。Instagramでは「フランスでやめたこと」など、飾らないリアルな日常を発信し、多くの共感を集めている。現在は音声プラットフォームVoicyにて、フランスでの暮らしから歴史、環境問題、女性の生き方など、多彩なテーマを独自の視点で語っている。著書に『フランスでやめた100のこと』、『フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(ともに大和出版刊)がある。
Instagram:@rokko_france
Voicy:「フランス暮らし 手放して豊かに生きる」







