(『天然生活』2025年3月号掲載)
「すべき」を手放して、心も体もゆるませる
ヨガや太極拳、気功など、さまざまな身体トレーニングや健康法を試してきた森田久美さん。
やるとなったらとことん。「太陽礼拝」(ヨガのポーズを連続で組み合わせたもので、太陽に感謝を捧げる動作から生まれた)を毎朝100回行ったり、添加物を一切摂らない菜食を続けたりと、ストイックなライフスタイルを続けた時期もありました。
「どこかに『ある』といわれる究極の世界を知りたい、たどり着きたいと必死でしたから、半分怒りに変わるくらいやっていました(笑)。
でも〇〇が足りない、〇〇しなければいけないなど『ない』『ない』を重ねていくと、体も心も緊張していくばかり。集中力は落ちるし、ものごとを素直に感じることも難しくなっていくのです」
そんな厳格さがガラガラと崩れたのは、出産がきっかけでした。
子どもとの暮らしは想定外の連続、生活を厳しいルールで縛ることは不可能です。あらゆることをあきらめ、手放さざるを得ませんでしたが、その過程が森田さんに素晴らしい気づきを与えてくれました。
「ない」を手放すごとに心身の緊張がゆるみ、心地よくなっていく。そうして、すべてが自分の内に「ある」と思えるような安心感を抱けるようになっていったのです。

森田家の愛猫・ソレ。四季や時間帯に応じて一番心地いい場所を探し、くつろぐ様子は、リラックスのとてもいいお手本
自分の心と体に細やかに寄り添う
体と心をゆるませるのに大切なのは、安心できること。そう実感した森田さんが日々実践するようになったのは、自分の心身にできるだけ細やかに寄り添うこと。
「家事も仕事も子育ても『せねば』は禁止、『やりたい』という気持ちを起点に。最近習い始めたヒップホップダンスも、『やせたい』『運動不足解消』ではなく、純粋に『楽しそう』が動機です」
手足をゆるめたり、体のさまざまな場所に触れたりするのも、体の声を聴くための手段です。
「たとえばオンラインで会議をするときも、音声だけにして画面を切って、横になりながら話すこともあります。そのほうがリラックスして、いいアイデアが生まれます。
飲みたいときに水を飲み、動きたいときに体を動かす。そんなふうに体最優先で暮らしていると、緊張やコリに速やかに気づき、リリースできるようになるようです」

自分の体と対話しながら、体をゆるめる
森田さんの「愛用の健康グッズ」
音叉(おんさ)

友人からプレゼントされたという音叉。先端でクリスタル(水晶)を叩くと、キーンと澄んだ心地よい音が響きわたる。気持ちを整えたいときや、空間を清めたいときに活用しているそう。
ヤムナボール

アメリカ発祥のボディワーク「ヤムナ」で使う「ヤムナボール」。体のさまざまな部位に当てて転がすことによって、筋肉をほぐしたり、姿勢を改善したりする効果が。肩こりや腰痛改善に。
抱き枕

ベッドの中で抱き枕として愛用している「京都水族館」オリジナルのオオサンショウウオのぬいぐるみ。「やわらかいものに触れていると、体も同調してゆるんでいきます」
〈撮影/原 祥子 取材・文/田中のり子 構成/鈴木理恵〉
森田久美(もりた・くみ)
2007年より京都・大徳寺そばの自宅のキッチンで「料理教室森田」をスタート。野菜や穀物、くだものやハーブを人と同じ「イノチ」と捉え、料理の方法を伝えている。2020年よりオンラインレッスンをスタート。後藤典子さんと開催する「お母さんクラス」も好評。自他ともに認める「体オタク」。
インスタグラム@0358morita
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




