• 年を重ねると環境の変化に尻込みしたり、そもそもムリと考えもしなかったり。でもそんな変化を軽々と受け入れて、いまの自分にフィットする居場所を見つける人もいます。そこで、「葉山に移住して、暮らしや心を整えることができた」というグリーンスタイリストの吉原友美さんにお話を聞きました。

    葉山での暮らしがもたらしたもの

    大きな窓から山が望め、陽光がたっぷりと差し込む心地いい1LDK。

    そこに暮らすのは、「PAUSE」の屋号で出張花屋やスワッグづくりのワークショップを行うグリーンスタイリストの吉原友美さんです。

    2年前に、縁もゆかりもなかった葉山に愛犬と移住。自然と花に囲まれたひとり暮らしを楽しみます。

    そんな吉原さんに、移住のきっかけや葉山での暮らしの楽しみ、心の変化について、お話を聞きました。

    うまく行かないときは、場所を変えたらいい

    画像: ものが少ないシンプルな空間を、あちこちに飾られたスワッグやグリーンが素敵に彩る

    ものが少ないシンプルな空間を、あちこちに飾られたスワッグやグリーンが素敵に彩る

    地元が千葉県浦安市で、ずっと千葉で暮らしてきた吉原さん。

    そんな吉原さんが、移住を考えたきっかけはなんだったのでしょうか。

    「以前は、夫婦ユニットで多肉植物のアレンジを手がけていたんです。けれど離婚してユニットは解散。そこで、生花で身を立てようと一念発起したのがいまから6年前、41歳のときでした」

    資金がなく店舗を持てずにいたものの、千葉の印西市でカフェを営む友人から誘いを受け、カフェの一角で花屋をさせてもらえることに。でも思うように売れず、苦戦します。

    「いろいろ試しましたが、限界かなと。そこで、お客さんをただひたすら待つのではなく、私が場所を変えたほうがいいと思い、違う土地を探すことにしました」

    画像: 家の裏手の山を散歩するのが日課。「自分を見つめ直すのに大切な時間」と吉原さん

    家の裏手の山を散歩するのが日課。「自分を見つめ直すのに大切な時間」と吉原さん

    画像: 散歩道では、かわいいリスに遭遇することもしばしば

    散歩道では、かわいいリスに遭遇することもしばしば

    自身がアレンジする花を受け入れてもらえる場所。それでいて自分も愛犬のラズも心地よく過ごせる場所。でも、葉山は移住先の候補ではまったくなかったと吉原さんは笑います。

    「家賃がすごく高いイメージですし、行ったことさえありませんでした。ただ、鎌倉には出張花屋の仕事で何度か足を運んでいて。私のアレンジする花をパンを買うような気軽さで買い求めてくれる方が多く、鎌倉周辺ならうまくいくのではと漠然と感じていました」

    画像: 出張花屋を出店していた頃の吉原さん

    出張花屋を出店していた頃の吉原さん

    決め手はふたつ。土地の空気と窓の風景に惹かれて

    画像: キッチンツールや食器類は厳選。色のあるもの、透明なものをまとめることで、すっきり見せている

    キッチンツールや食器類は厳選。色のあるもの、透明なものをまとめることで、すっきり見せている

    そんな吉原さんと葉山を引き合わせたのは、SNSでたまたま見た不動産広告。それまでも直感で動く派だった吉原さんには自然な流れで、その日の用事を急遽キャンセルし、神奈川の不動産会社へ駆けつけます。

    「葉山とは別の場所の物件を見せてもらった後、葉山に向かったんです。海沿いを車で走っていると、急に空気が変わったように感じて。聞くと、そこはちょうど葉山との境。なんともいえない心地いい空気に、一気に心をつかまれました」

    画像: 「アポなしで不動産屋さんに行ったので、その日は案内用の車がなくて。私が自分の車を運転して、内見に行きました(笑)」

    「アポなしで不動産屋さんに行ったので、その日は案内用の車がなくて。私が自分の車を運転して、内見に行きました(笑)」

    葉山は海のイメージが強いものの、山も多い場所。物件があったのは山側で、部屋に入ると、南向きの大きな窓から小高い山が一望でき、濃い緑が広がっていました。

    「その風景を見た瞬間、ここに住もうと決めて。“家賃はこれまでの倍近くだけど払えるかな”“愛犬は環境になじめるかな”と一瞬気になりましたが、それよりもワクワクしかなかったですね(笑)。

    ここならきっとうまくいく、そんな予感がして。もしだめならまた引っ越せばいい、そう考えました」

    余白をつくったら、仕事がいい方向に

    葉山に住まいを移すタイミングで、仕事でも大きな決めごとをします。それまでは、仕事を詰め込み、どんなに遠い場所でも呼ばれると車で出向いていたという吉原さん。

    画像: 定期的に行っているワークショップ。2月には台湾での開催も

    定期的に行っているワークショップ。2月には台湾での開催も

    「でも年を重ねるうちに疲れがたまるようになって。ここに来てから、仕事を断るのを自分に許すようになりました。でも、そうすることで仕事はいい方向に広がりをみせて。余白は大事だと気づかされました」

    画像: リビングが暮らしの中心であり、花の仕事の作業場所

    リビングが暮らしの中心であり、花の仕事の作業場所

    自然の力を借りて、心をラクに

    もともと悩みや不安を抱え込む性質で、対処方法をつねに探しているという吉原さん。6年ほど続けている散歩もそのひとつですが、ここ葉山では豊かな自然が力をくれているのだとか。

    「家の裏の山が毎日の散歩コース。木や花など、自然に意識を向けることで心がほぐれたり、自分の悩みがちっぽけなものに思えたり。部屋から望む風景も同じですね。葉山に来て心もラクになりました」

    画像: 「誰も見てなくてもきれいに花を咲かせている姿に、周りを気にしすぎる自分を省みることも」と吉原さん

    「誰も見てなくてもきれいに花を咲かせている姿に、周りを気にしすぎる自分を省みることも」と吉原さん

    「寂しさを紛らわすために行っていた」という飲み会に出かけなくなったのも暮らしの変化。いまは会いたい人にだけ会うように。近所に友人も何人かでき、家に招かれて食事をともにするのが楽しみのひとつなのだそう。

    近くにある道の駅で手に入る朝採れの葉山・三浦野菜を、蒸し野菜にして楽しむのも日課に。

    暮らしの変化はほかにもまだまだ。

    「不安や悩みを取り除くのはできないから、それよりもどう自分の機嫌をとっていくか、ひとり時間を楽しむかですね。それをこの場所に手伝ってもらっている。土地に呼ばれたように感じています」

    暮らしや心を整えて、本来ありたい自分に変わっていこうとする吉原さん。今後は体のメンテナンスに力を入れていきたいのだとか。

    ひとりと一匹、よりフィットする形を模索しながら葉山での暮らしを満喫しています。

    吉原さんの市場に行く日の時間割

    03:00起床 身じたく
    04:00市場に出発
    05:30市場に到着 仕入れ
    09:00帰宅 花の水あげ
    12:00昼ご飯
    13:00仕事スタート
    15:00おやつ休憩 コーヒーを淹れる
    15:30仕事再開
    17:00仕事終了
    18:30夜ご飯
    メール返信・スケジュール管理・インスタ投稿など
    入浴→ストレッチ→編み物
    21:30就寝


    <撮影/林 紘輝 取材・文/諸根文奈>

    吉原友美(よしはら・ともみ)
    PAUSE主宰、グリーンスタイリスト。「日々の暮らしの中にひと休み出来る時間を」植物を通して、心と暮らしを整える活動をしている。出張花屋、ワークショップ、空間装花、オンラインストアを通して植物と花のある暮らしを提案している。
    https://pause-flower.com/
    インスタグラム:@pause_story_

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