(『別冊天然生活 ときめきのクッキー缶』より)
コロナ禍をきっかけに、ぐんとバラエティ豊かになったクッキー缶
お菓子の缶は「人生で初めての宝箱」だった
旅にお散歩、お菓子に雑貨、喫茶店にクラシック建築……文筆家の甲斐みのりさんは、好きなものやことを探究しつづけています。
「子どものころ、お客さんが鳩サブレーを手土産に訪ねてきました。私は中身よりも缶に興味津々。香り消しゴムなどを入れて、人生で初めての宝箱にしました。クッキー缶への関心がやがてマッチ箱につながり、喫茶店に通うようになり、お菓子好きにもなって……あの缶がいまの私の原点です」

「ローザー洋菓子店」の一番大きな缶にはレターセットを。「職人さんの手づくり缶。A4サイズが入るので重宝しています」
オンラインとSNSで広がったクッキー商品の選択肢
お仕事で手土産やお取り寄せ品などのセレクトをよく依頼される甲斐さん。2020年以降、クッキー缶がひとつのジャンルになったといいます。
「クッキーが割れてしまうので発送に消極的なお菓子屋さんが多かったのですが、コロナ禍以降はさまざまなお店がオンラインで販売するようになりました。またSNSの普及で店舗を持たない個人の作家さんが参入し、クッキー商品の選択肢が格段に広がりました」
5000円、6000円と一見高価に思えるものも、ギフト用に自分用にと抵抗なく購入する人が増えました。

「帝国ホテル」の限定クッキー缶にはクラシックホテルグッズ。「メモ帳などさまざまなホテルで買い求めたものを入れています」
「15年前まではおしゃれなデザイン缶といえばぱっと思い浮かびましたが、いまやクッキー缶はイラストレーターやデザイナーの活躍の場。素敵なものがありすぎて、すぐにリストアップすることができないほどです。素材に関してもチョコレートを追求したものや野菜やスパイスを取り入れたもの、グルテンフリーやビーガンといった健康志向のものなどバリエーション豊かです」

左上から時計まわりに「資生堂バーラー」銀座店限定の花椿ビスケットの黒缶、「コロンバン」ショートケーキクッキー缶、「資生堂パーラー」リーフパイ缶、「長崎レデンプトリスチン修道院」のクッキー缶
ぎっしり詰まった“手詰め”が人気。3Dプリンターで多様さも生まれる
クッキーといえばトレイに個包装で入っているイメージでしたが、最近は缶に直接ぎっしり詰まった“手詰め”のものが人気です。
「ひとつひとつ人間の手で行う“手詰め”は手間も技術も必要。すき間なくクッキーを詰められるかどうかも計算しなければなりません。また繊細で個性豊かな形のクッキーがたくさん登場しています。以前はオリジナルのクッキー型は金型からつくらなければなりませんでしたが、3Dプリンターのおかげで個人でもつくれるようになりました。それぞれにこだわりをもったクッキーが日々誕生しています」

金谷ホテルのクッキー缶。「休館中の山の上ホテルのコースターのほか、クラシックホテルなどのコースターを集めています」
本記事は『別冊天然生活 ときめきのクッキー缶』(扶桑社)からの抜粋です
〈撮影/清水エリ 取材・文/仲西加津美 国松薫 〉
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缶も中身も魅力あふれるクッキー缶のすべて
ぎっしり詰まったクッキーが、なんともしあわせな気分にしてくれるお菓子缶。 素材や食感もさまざまに、各店自慢のおいしいクッキーは食べるのが惜しいほど。 そして中身もさることながら、おしゃれでかわいい図案や、 美しい加工が施されたパッケージも魅力で、手土産やプレゼントにもぴったりです。 お菓子を食べたあとの缶にはステーショナリーや裁縫道具、雑貨を入れたり、手紙や葉書をしまったり。贈って、食べて、使って。 おいしいお菓子を味わって、食べたあとも楽しいお菓子缶の世界。 かわいいクッキー缶132個を一堂に集めた、缶好きマニアも必見の手土産&お取り寄せガイドブックです。
甲斐みのり(かい・みのり)
静岡生まれの文筆家。大阪、京都と移り住み、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、手土産、クラシックホテルや建築など、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。最近では、和歌山県田辺市など、自治体の観光案内冊子も手がける。
※ 記事中の情報は『別冊天然生活 ときめきのクッキー缶』掲載時のものです






