• 栃木県那珂川町の古民家に暮らし、夫とともに在来固定種の野菜づくりをしている薬膳料理家の小鮒ちふみさん。ご自身の病気の経験からたどり着いた「薬膳」の考え方と旬野菜を軸にした食事の大切さについて教えていただきました。
    (『小鮒ちふみさんの不調のときでもつくれるがんばらない薬膳ごはん』より)

    旬野菜を軸にすると自然と心身の土台が整います

    小鮒ちふみさんが独学だった薬膳を本格的に学び始めたのは、より土に近い暮らしを求めて、栃木県那珂川町に移住した後のこと。

    「薬膳の要となるのは、薬食同源という考え方だと思います。食材の効能を知って季節や体調に合わせた食事をしていれば、健康になれるということですよね。この思想はどこに暮らしていても、どんな人にも応用できるのではないでしょうか。自然の理に合いますし、東洋医学の言葉『天人合一(てんじんごういつ)』とも通じます」

    薬膳では食材がもつ性質を理解することも大切。そのため体を温めるとか冷やすとか、潤いを補うといった説明もあり、少しハードルを感じる方もいるかもしれません。

    ですが小鮒さんは、難しいことを覚えなくても、旬の野菜を軸にすれば、おのずとそのときの体に必要な食事になるといいます。

    画像: 群馬県由来の固定種である石倉一本ねぎを収穫する小鮒さん。加熱すると甘さととろみが出てくるので、鍋料理に最適

    群馬県由来の固定種である石倉一本ねぎを収穫する小鮒さん。加熱すると甘さととろみが出てくるので、鍋料理に最適

    「野菜は季節の影響を受けて育ちます。ですから、その季節によく育つ野菜をいただくことで、自然と土台が整い、その季節に適した旬の体になるイメージです。

    私は父子家庭だったこともあり、中学生くらいから家族の食事づくりを担っていました。当時は旬の野菜を意識することもなく、たとえば真冬に夏が旬のきゅうりやトマトばかり食べていたんですね。いまとなっては不自然な食事をしていたとわかりますし、いつも体温は低く、便秘がちで、病気の原因にもなったのかな、と。後悔しても仕方のないことなので、皆さんには私の経験を好都合に変えていただきたいとも思っているんです」

    「食べること」を生きる楽しみといやしに

    旬野菜を主役にした薬膳ごはんは遠くから食材を取り寄せないといけなかったり、つくることが難しかったりする食事と比べ、簡単です。

    なるべく加工されているものは避け、食べる量は腹7分目を心がけること。そして一番大切にしてほしいのは、食べるときの雰囲気なのだとも。

    「食事を突き詰めると、静かに食べることに集中するといいといわれていますが、食べることは生きる楽しみでもあり、いやしにもなります。ですから修行のように研ぎ澄ますというよりは、私はその一歩手前で、家族と一緒でもひとりでも、楽しい食事時間を過ごすことが大事だと思っています」

    小鮒さんのかんたん薬膳生活
    「旬野菜を食べること」で土台が整う実感があります

    画像: 小鮒さんの好きなスナップエンドウ

    小鮒さんの好きなスナップエンドウ

    スーパーに行けば、季節を問わず、さまざまな野菜が手に入る昨今ですが、健康の土台は露地栽培の旬野菜、と小鮒さん。

    「さまざまな健康情報もあふれ、何を選べばいいかわからないと迷うこともあると思います。私もかつてはそうでした。でも先人の知恵でもある旬野菜を軸にした食事で、不安定だった心身が安定しました」

    画像: 採れたての新鮮野菜。皮も葉っぱも、余すところなくいただくことで、微量栄養素や抗酸化作用のあるフィトケミカルも摂取できる

    採れたての新鮮野菜。皮も葉っぱも、余すところなくいただくことで、微量栄養素や抗酸化作用のあるフィトケミカルも摂取できる

    本記事は『小鮒ちふみさんの不調のときでもつくれるがんばらない薬膳ごはん』(扶桑社)からの抜粋です

    〈撮影/山川修一 取材・文/長谷川未緒〉

    小鮒ちふみさんの不調のときでもつくれるがんばらない薬膳ごはん (扶桑社) |小鮒ちふみ・著|amazon.co.jp

    小鮒ちふみさんの不調のときでもつくれるがんばらない薬膳ごはん (扶桑社) |小鮒ちふみ・著

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    野菜薬膳料理家で国際中医薬膳師の小鮒ちふみさんの薬膳ごはんの本。春夏秋冬の養生法と、季節の野菜を使った養生ごはんを紹介します。旬野菜を生かしたシンプルで実践しやすい薬膳の入門書としても。不調の時でも自分自身や家族のためにつくれる、シンプルで体を整える薬膳ごはんのレシピを約70レシピ収録するほか、春夏秋冬の養生法と心身の整え方も紹介します。著者にとって初めての著書。春夏秋冬の野菜の薬膳的効能を紹介する解説ページ付き。

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    小鮒ちふみ(こふな・ちふみ)
    養生薬膳研究家、国際中医薬膳師、医学気功整体師。20代で進行性の胃がんを経て、心のあり方や食生活が体に及ぼす影響に気づき、養生法を学び実践。東日本大震災を機に農業の道へ。「こぶな農園」の台所担当として農食一体を軸に、自治体向け産前産後養生事業やメディアへのレシピ提供、風土と私たちの命になじむ養生法を伝えている。栃木県那珂川町在住。40代、一児の母。
    インスタグラム:@chifumi_kobuna
    こぶな農園インスタグラム:@kobuna_farm
    こぶな農園HP:http://kobuna-farm.com/



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