ベランダで叶える、小さなお庭。ベランダガーデンの始め方
庭のある暮らしに、憧れたことはありませんか
土に触れて、季節の植物を植え、朝の光のなかでその様子を確かめる。
そんな景色を、いいなと思いながらも、どこか自分には遠いもののように感じていた時期が、私にはありました。

2007年から少しずつ手を重ねて育ててきた場所
わが家はマンション暮らし。ベランダはあるけれど、お庭ではない。
できないことのほうが多いと、ずっと思っていました。
でもいまは、庭がないからこそ気づけた豊かさが、この場所にはあると感じています。
植物を迎えた日のこと

春になると迎えたくなるナスタチューム。ガーデニングを始めた頃から、変わらず好きな苗のひとつです
最初に植物をベランダへ迎えたのは、ほんの小さなひと鉢からでした。
コンクリートの床の上に、その植物をひとつ置いただけ。
それでも、部屋の中からガラス越しに眺めると、空気が少し和らいだように感じられました。

左からナスタチューム、リシマキア リッシー、ラグラス。いくつか並べるだけで、植物同士がそっと関わり合うように見えて、愛らしい
その感覚がうれしくて、次の植物を、また次の植物を、と少しずつ迎えていったのを覚えています。
土に触れることの、静かな喜び

土に触れ、根に向き合う。その時間が、植物との距離をそっと近づけてくれる
植物を迎えたあとの楽しみのひとつが、植え替えの時間です。
シートを広げ、道具をひとつひとつ並べる。鉢底ネット、軽石、土、肥料、根腐れ防止剤。それぞれに役割があり、その準備の時間もまた、心地よく感じられます。
鉢底に石を敷いて水はけをよくすること。土にゆっくり効く肥料を混ぜること。
そうした小さな工夫が、植物を健やかに育てることにつながっていくと知ったのは、少し後のことでした。
最初は、鉢底石の存在も知らず、あっという間に枯らしてしまったこともあります。
「向いていないのかもしれない」と一度は手を止めかけたことも。
でも、その経験があったからこそ、次の植え替えは少していねいになりました。
自分の手で植え替えた植物は、不思議といっそういとおしく感じられます。
手をかけた分だけ、植物との距離が近づいていくような気がするのです。
小さなひと鉢から、ベランダガーデンは始まる

仕事スペースから見える眺め。自分だけの景色は、小さな積み重ねのなかに静かに宿っていく
マンションで暮らしながらも、ガーデニングに心が動いたなら、それはもう、小さなお庭づくりの始まりです。
最初は、どんな植物がいいか、どんな鉢を選べばいいか、迷うかもしれません。
「枯らしてしまったらどうしよう」と、少し不安に感じることもあると思います。
でも、ひとつ迎えてみると、思っていたよりも気軽で、楽しいものだと感じられるはずです。
葉の形や色、なんとなく好きだと感じるもの。
その小さな感覚が、心地よい時間の始まりになります。
まずは、気負わずにひとつ、迎えてみてください。
次回は、足元の景色を整えることについて。無機質だったベランダの床が、少しやわらいで見えた日のことを綴ります。
<写真・文/RIKA>
RIKA/ 「みどりの雑貨屋」コーディネーター
関西に店舗を展開する、植物とそれに似合う雑貨のお店「みどりの雑貨屋」でブランドストーリーの企画や発信を担当。自宅マンションでは、ベランダガーデニングやDIYを楽しみながら、心地よいグリーンのある暮らしを実践。植物と鉢、雑貨を組み合わせた“みどりのある心豊かな暮らし” をSNSで提案している。
インスタグラム:@skipkibun_rika
「みどりの雑貨屋」公式サイト:midorinozakkaya.com




