• ソファや収納家具を置かず、空間そのものの心地よさを大切にするin-kyo店主・長谷川ちえさん。余白を楽しみながら暮らす、住まいづくりの工夫を伺いました。
    (『天然生活』2025年7月号掲載)

    「余白を眺める時間」が、暮らしを豊かに

    in-kyo店主の長谷川ちえさん夫婦が、それまで住んでいた平屋の隣にある一軒家を購入したのは数年前のこと。

    街中にある「in-kyo」の店舗ではできないワークショップなどを行う場所にしたいとリノベーションを行い、完成したのがこの「TONARI」。

    「TONARI」は70㎡弱の小さな平屋。コンパクトな寝室と書斎、パントリー以外のほとんどが、展示やワークショップを行うギャラリーのように広々としたリビング空間が広がります。けれどイベントを開催しない時期も、その空間にはほとんどものを置かずに過ごしているとか。

    「お店をやるくらいですから、若いころは『もの』を欲しがる気持ちも強かったと思います。けれどいまはものをたくさん持つより、余白を眺めながら、考えたりする時間のほうが大事に思えて。外へ外へと向かっていた意識が、内側へ......と変化している気がします」

    たとえば壁に掛けた線画を眺めながら、心に思い浮かぶ風景や言葉をしっかり味わう。そんな時間が何よりも豊かだと思えるように。住まいに余白があるからこそ、そういうひとときを自然にもてるようになりました。

    「もちろんいまも『もの』にときめきますが、自分の手元になくても大丈夫。そのふたつの思いって、両立するものなんですよね」



    <撮影/星 亘 取材・文/田中のり子>

    長谷川ちえ(はせがわ・ちえ)
    エッセイストとして活躍しながら、2007年東京・蔵前に生活道具を扱うお店「in-kyo」をオープン。2016年福島県三春町に移住・移転。夫と2匹の猫スイ・モクと一緒に暮らす。著書に『三春タイムズ』(信陽堂)など。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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