• 蓼科ハーバルノート・シンプルズを主宰し、日々ショップという場に立つ萩尾エリ子さん。植物の豊かな力を伝え続ける一方で、地域の病院の緩和ケア病棟などでボランティア活動にも長く関わってきました。人生の「ままならぬこと」に直面したとき、言葉を超えて心に届く香りの力についてお話を伺いました。
    ※本記事は、ライター・玉木美企子さんの第一エッセイ/俳句集『蝸牛の虫干し』刊行記念お話し会(2026年2月、still room.MEにて開催)の内容を基に構成しています。

    人生の最終コーナーは、「醸造」から「蒸留」へ

    画像: 人生の最終コーナーは、「醸造」から「蒸留」へ

    ――薬草の世界から得た知恵や、日々の情景が降り積り、胸の内で熟成している。そしてそれが磨かれ、言葉として現れるんですね。萩尾さんが以前、「醸造の時代から蒸留の時代へ」と話されていたことにも通じるように思います。

    萩尾 そうね、いろいろな経験を蓄えては発酵させていた「醸造」の日々を経て、私は蓼科ではそれらを昇華させていく「蒸留」をしているのでは、と感じています。

    もちろん、ハーブのブレンドが織りなす「雑なる味わい」や、ゆっくりと醸造させたワインはいまも大好き。けれど、人生に最終コーナーがあるとしたら、透明な一滴を、少しずつ集めるような「蒸留」をして過ごしたいな、と思っています。ひょっとしたら言葉での表現にも、それが現れているのかもしれません。



    〈取材・文/玉木美企子 写真/古厩志帆〉

    萩尾エリ子(はぎお・えりこ)
    ハーバリスト。ナード・アロマテラピー協会認定アロマ・トレーナー。日々ショップという場から植物の豊かさを伝えることを喜びとする。著書に、『風の飲みもの、光のおやつ』(扶桑社)など。

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    『風の飲みもの、光のおやつ 薬草店の幸せなテーブルから』(萩尾エリ子、永易理恵・著/扶桑社・刊)

    画像: 78歳、ハーバリスト・萩尾エリ子さんに聞く“緩和ケア”の現場で見つめた香りの力と「人生最終コーナー」の過ごし方

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