• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。10匹の保護猫と暮らしていても、大きなけんかはほとんどありません。その理由は、猫同士の相性だけではなく、部屋づくりにもありました。

    多頭飼いのわが家で気をつけている、部屋づくり

    高い場所をいくつか用意する

    キャットタワーや棚の上など、見下ろせる場所があると猫は安心します。ひとつだけだと人気物件になりすぎるので、できれば複数あると平和です。

    寝床は猫の数より多めにする

    ベッド、毛布、クッション、ソファの一角など、眠れる場所は多いほど安心です。なぜか結局ひとつに集まることもありますが、それも猫の自由です。

    隠れ家をつくっておく

    箱、布をかけた椅子の下、ケージの中など、ひとりになれる場所も大切です。猫にも「今日は誰とも話したくない日」があります。

    爪とぎはあちこちに置く

    爪とぎはストレス発散の大事な道具です。リビング、廊下、寝室など、猫がよく通る場所に置くと、家具への被害も少し減ります。

    ごはんや水の場所を分ける

    食べるのが早い子、ゆっくりな子、遠慮する子がいます。食器や水飲み場を複数にすると、気の弱い子も安心して過ごしやすくなります。

    逃げ道をふさがない

    猫同士がすれ違う場所に逃げ道がないと、緊張しやすくなります。部屋の角や廊下は、できるだけ通りやすくしておくと安心です。

    人間が手を出さない場所もつくる

    高い棚やタワーの上など、「そこにいるときは見守るだけ」の場所があると、猫は落ち着きます。人間にも休憩が必要なように、猫にも休憩が必要です。

    お気に入りのぼろぼろも大切にする

    古い毛布、へこんだ猫ベッド、くたびれた箱。人間には処分したく見えても、猫にとっては思い出の高級ホテルかもしれません。危なくなければ、少し残しておくのもおすすめです。

      

    でかおが若い子たちの頭をなめている。男の子たちがぎゅうぎゅうにくっついて眠っている。その横で、人間はソファのすみっこに座らせてもらっている。

    たぶんこの家では、猫たちのほうがずっと上手に、場所を分け合って暮らしているのです。

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    画像: お気に入りのぼろぼろも大切にする

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ、大阪在住。作家、家族療法カウンセラー。夫と10匹の元保護猫と暮らす。心の病や生きづらさを抱えるなか、不治の病をもつ一匹の猫との出会いをきっかけに、「命は、生きているだけで愛おしい」ということを知る。以来、生きづらさのなかにある小さな希望を、ノンフィクションや小説、エッセイに綴りつつ、NHKの福祉番組への出演、全国での講演などでも活動。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(KADOKAWA)など。

    note:https://note.com/sakiseri

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