• なかなか踏み出せずにいただれかの助けになりたいという想い。最初の一歩を、私たちと一緒に。今回は、地域をつなぐ! 交流の場づくりプロジェクト 芝の家を訪ね、ゆるやかなつながりが生まれるまちの多世代間交流の場を拝見しました。
    (『天然生活』2025年6月号掲載)

    赤ちゃんから高齢者までみんなが自由に出入り

    東京タワーにほど近い東京都港区芝。大通りから少し入ったところに、昭和30年代を思わせる「芝の家」はあります。

    始まりは2008年。「地域をつなぐ! 交流の場づくりプロジェクト」の拠点として、芝3丁目の住宅街に、港区芝地区総合支所と慶應義塾大学の「協同」運営でスタートしました。いまも、多世代間交流の場として地域住民の憩いの場です。

    画像: 下校途中の小学生が、縁側から中をのぞいて高齢の方とおしゃべりをする姿が。「ランドセルを家に置いたらまたおいで」、そんな会話が聞こえてくる

    下校途中の小学生が、縁側から中をのぞいて高齢の方とおしゃべりをする姿が。「ランドセルを家に置いたらまたおいで」、そんな会話が聞こえてくる

    「午前中や夕方は赤ちゃん連れのパパ、ママが遊びに来ますし、お昼休みには近くのオフィスに勤めている方がお弁当を食べに来ることも。下校時刻には小学生が、そして思い思いの時間に高齢者のみなさんがおしゃべりに来ます」と話してくれたのはプロジェクトリーダーの加藤亮子さん。

    芝の家には、みんなが自由にくつろげるようにソファやちゃぶ台があり、ゆったりとした空間になっています。カードゲームやけん玉、こまなどの遊び道具も充実。

    取材に訪れた日は「コーヒーの日」で、豆から挽いたドリップコーヒーが無料でふるまわれていました。

    受け入れて認めてくれる、なくてはならない場所

    「昭和の時代にあったような温かい人と人とのつながりの創生をめざす」ことを目的に始まった芝の家。

    その想いは大切にしつつ、加藤さんたちスタッフは、令和の現状に則した今風のつながりを意識しているといいます。

    「しばりのない『ゆるやかなつながり』が生まれる場所であるといいなと思っています。名前を知らなくてもおしゃべりができる。気が向いたときに顔を出せば声をかけてくれる人がいる。それはどの世代にとっても大切なことです」

    画像: いつもの仲良しメンバーで近所のお店情報を共有したり、料理の悩みを相談したり。そこからひとりふたりと輪に加わって、気がつくと楽しい茶話会に。持ち寄ったお菓子をお供に盛り上がる

    いつもの仲良しメンバーで近所のお店情報を共有したり、料理の悩みを相談したり。そこからひとりふたりと輪に加わって、気がつくと楽しい茶話会に。持ち寄ったお菓子をお供に盛り上がる

    さまざまな世代の利用者がいる芝の家ですが、高齢者の利用も盛んです。

    「受け入れてくれる」「認めてくれる」場所だとみなさん口をそろえて話してくれました。

    持病があり、ほとんど家にいるけれど、芝の家まで歩くことを目標にして毎日顔を見せに来ていると話してくれた方、家にいても暇だからここで話をすることが何より楽しみ! と月に2回バスで通って来る方、利用頻度や目的はそれぞれですが、なくてはならない場所であることは間違いありません。



    〈撮影/有賀 傑 構成・文/飯作紫乃〉

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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