(『天然生活』2025年8月号掲載)
43年ぶりの入院で気づいた、ホットタオルの気持ちよさ
暮らしのなかでの小さな発見や発明を繰り返し、70代のいまも進化しつづけている石黒智子さん。最近の「進化」には昨年の入院体験が大きく影響していました。
「2024年9月に虫垂炎で1週間入院しました。出産以来だから43年ぶり。食事はおいしくて、同室の方とのおしゃべりも楽しい。コンビニ、レストラン、喫茶店もあるの。寝間着とタオルはレンタルもあるから、緊急でも困ることがない」
その入院経験から、暮らしの定番に加わったのがホットタオル。熱々のタオルで顔や体をふくことの気持ちよさ、その後のさっぱり具合に開眼しました。
これまで、夏は汗をかいたらシャワーを浴びていましたが、いまではすっかりホットタオル派に。夏の暑いときに、熱々タオルを? と思うかもしれませんが、ベタつく体をさらっと清潔にしてくれ、シャワーよりずっと手軽です。

薄手のハンドタオルを濡らしてしぼり、600Wの電子レンジで40〜50秒加熱してホットタオルに
こんなふうに、普通は気が重くなりがちな病院暮らしでも「発見の場」としてポジティブに捉え、自分の生活に生かしてしまうところは、さすが「暮らしの探究者」。日々の小さなことにも楽しみを見つける天才です。
70歳を過ぎたら無理をせず、天候や体調に合わせて動く
年々、暑さが激化している日本の夏ですが、石黒さんの家はエアコンなし。高台に建ち、緑に囲まれている一軒家には、心地よい風が吹き抜け、熱がこもりにくいのです。暮らし方も夏用にシフトして、暑さに負けない過ごし方をしています。
そのひとつがデスクワーク。暑くなりすぎると、PCも熱を帯び不調に。なので、夏は早朝と夜だけの使用に限っています。その分、日中は家仕事を。

朝の涼しいうちはPCも快調。暑い昼になると、動作も鈍くなるのだとか
「昼間は蚊がいなくて、ちょうど木陰になるので庭の手入れをしたり、床掃除をしたり。ただ、それも天気や体調によりけりです。すごく湿度が高いときや気圧の変化が激しい日などは、無理をしません。
70歳を過ぎて、『必ず毎日しなきゃ』とか、『全部やり切らなくては』と思わなくなりました。草刈りは途中で終えると、ある所から明らかに草の丈が違うんですが、もういいや、できるときにやればいいわ、って」
無理をせず、「こうでなくては」という思い込みをパッと手放すことも、暑い夏の賢明な過ごし方なのです。暮らしの時間割は、決めこみすぎず臨機応変に。
夏は湿度計、気圧計の数値で、やること、やらないことを決める石黒さん。最近は徒歩圏内にスーパーができたことで、また暮らしの時間割にも変化が生まれたのだといいます。
石黒智子さんの「涼しく過ごす工夫」
水やりで打ち水効果

鉢植えの水やりは、通常、早朝か夕方かのどちらかにしますが、打ち水は気温が下がり始める夕方にするのが効果的。なので、夏の水やりは夕方にするのだとか。
〈撮影/杉能信介 構成・文/鈴木麻子〉
石黒智子(いしぐろ・ともこ)
家事の工夫や道具選びなど、独自の視点で雑誌や書籍などで発信。「亀の子スポンジ」など、商品開発でも活躍。近著に『70歳からの軽やかな暮らし』(PHP研究所)。自身のHP「石黒智子のLife Style」で毎日一文を投稿。
https://ishiguro-tomoko.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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