• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。今回は、猫のお風呂と、猫にも人にも無理のないお手入れについて考えます。

    猫の体をできるだけきれいに保つ、わが家がしている無理のない習慣

    お風呂は必要なときだけ、短時間で

    排泄物や危険なものが付着したときなど、洗う必要がある場合は、体を冷やさないよう、脱衣所を暖めておいたりと準備してから行っています。使うのは安心できる猫用のシャンプーを選びましょう。猫と人、双方の安全が難しそうなときは、動物病院や専門家に相談するようにしています。

    ふだんは猫自身の毛づくろいに任せる

    健康な猫は、自分で体をなめて清潔にしているといいます。目立った汚れや特別な事情がなければ、頻繁に全身を洗う必要はないそうです。猫には猫なりの身だしなみがある、と無理はかけないようにしています。

    汚れた部分だけをやさしくふく

    ぬるま湯で湿らせ、しっかり絞ったやわらかい布を、電子レンジで30秒ほど温めます。その後、適温になるまで空気に当てて冷まします。人間が触れて熱すぎない温度になったら、お尻や足先など、汚れた場所だけを短時間でふいています。

    ブラッシングを触れ合いの時間にする

    ブラッシングは、抜け毛やほこりを取り除くだけでなく、皮膚の異変や小さなしこりに気づくきっかけにもなりました。猫が「そろそろ結構です」という顔をする前に終えるのが、長く続けるコツです。

    目元や口元は、汚れに気づいたときに

    目やにや食べかすは、固まる前に湿らせたガーゼなどでそっとふき取っています。強くこすらないように。一度で取れなければ無理をしないようにしています。

    高齢猫や体の不自由な猫には少しだけ手助けを

    年齢や病気によって毛づくろいが難しくなることがあります。届きにくい背中やお尻を中心に、その子が嫌がらない範囲でお手伝いをするようにしています。

    汚れやにおいが続くときは体調を確認する

    急に毛づくろいをしなくなったり、皮膚のべたつきや強いにおいが続いたりするときは、体調不良が隠れていることもあります。この場合も、動物病院や専門家に相談するようにしています。

     

    猫をきれいにしてあげることは、真っ白になるまで洗うことではありません。

    今日も気持ちよさそうに眠り、自分のにおいに包まれて安心していられること。

    多少ぼさぼさでも、「これが私です」と胸を張っている猫の姿を守ること。

    その穏やかな時間もまた、私たちにできる大切なお手入れなのだと、自分もまたぼさぼさの寝ぐせを見て笑うのです。

    ◇ ◇◇ ◇◇


    画像: 汚れやにおいが続くときは体調を確認する

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ、大阪在住。作家、家族療法カウンセラー。夫と10匹の元保護猫と暮らす。心の病や生きづらさを抱えるなか、不治の病をもつ一匹の猫との出会いをきっかけに、「命は、生きているだけで愛おしい」ということを知る。以来、生きづらさのなかにある小さな希望を、ノンフィクションや小説、エッセイに綴りつつ、NHKの福祉番組への出演、全国での講演などでも活動。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(KADOKAWA)など。

    note:https://note.com/sakiseri

    ◆ブログ「ちいさなチカラ」

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    「ひとりきりでも、揚げたてコロッケはおいしいけれど、絶滅の前夜、恐竜たちは、誰かと何かを食べたのだろうか」
    大阪の片隅。この世界からこぼれそうな人たちが、ふっと息をつけるうらぶれた居酒屋「飛鳥」。

    ・本日のフランス料理「ちくわぶとねぎのグラタン」
    ・自動販売機の50円のカフェオレチューハイ
    ・猫も喜ぶどて焼きオムレツ
    ・裏メニュー「ぐちゃまぜ豆腐丼」

    雑であたたかなごはんと、傷を負った人々の泥臭いぬくもりを描いた、絶望のなかにあるちいさな灯りの物語(全4編)。



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