いつも笑顔で、元気に過ごしている方々の暮らしの秘訣とは? ふだんから実践している7つの習慣とともに、心と体の整え方を伺いました。今回は、洋服ブランド「群言堂」デザイナー、松場登美さんに聞く「7つの習慣」のうち、4〜7の習慣をお届けします。
(『天然生活』2017年7月号掲載)
松場さんの一日の時間割
群言堂 松場登美さんの7つの習慣(4〜7)
4 チクチク、刺し子で暮らしを整える
着古した浴衣に刺し子をして雑巾に。道具のカバーも古布にチクチク刺したもの。「最近は、おしゃれで刺し子をするのが流行っているみたいね。でも、本来は生地を繕ったり丈夫にしたりして使うためもの。暮らしのなかできちんと伝えていきたいと思っています」
5 ふき掃除をする
ハタキでほこりを払い、ほうきで掃いたら、必ず、雑巾で水ぶき。「化学繊維のふきんが好きじゃなくて。古い布があるんだから、それを活用しなくちゃ。水で清めるからこそ、空気がシャキッとする感じがするんです。それに、体を動かすと元気にもなれますよ」
6 毎日、手紙を書く
なんと、少なくとも一日5通は手紙を書くという松場さん。「ハガキや、わら半紙にささっと書く感じ。冒頭の季節のあいさつは苦手なので書きません。すごいことを書こうなんて大げさに構えたりせずに、目の前に相手がいて話すように綴っています。喜んでもらえるかな?と想像する時間が楽しいんです」。ここにもルールは一切なし。人との交流を大切にする松場さんならではです。
7 家族みんなで朝ごはん
ここ数年、スタッフのいる女子寮で朝ごはんをつくって食べることが多いという松場さん。週に何度か家族と過ごす日があるそうで、三女の奈緒子さんや大吉さんたちと一緒にいただきます(※トップの写真)。「味噌汁だけは、いつも夫が担当していて、パンのときも、必ず出てきます。ホッとする味なんですよ。家族との朝は、いつもにぎやかです。孫の顔を見て、たわいのない話をする時間に、自然と元気をもらえます」
+ 松場家の薬箱
言葉ノートに綴った暮らしの言葉
松場さんの言葉のファイルから。「ひとつ目は、お客さまが話していた言葉です。考えたり話したりしたことは忘れやすいけれど、それを書くと固体として残るから伝えやすいんだな、と納得したんです。ふたつ目は、人と接するときに心がけていること。こう考えるとどんな人とも楽しくなるな、と。3つ目は、母が話していたことで、いつも胸に留めておきたい言葉です」
「考える」は気体、
「話す」は液体、
「書く」は固体
違うから楽しい、
同じだからうれしい
運が減る、
と言う人がいるが
運は減らない。
徳は減るから、
積まなければ
ならない
<撮影/辻本しんこ 取材・文/晴山香織>
松場登美(まつば・とみ)
1949年、三重県生まれ。1981年に夫の故郷、島根・大田市に移住。古民家を再生し、ショップ「群言堂」や宿泊施設を営む。
http://www.gungendo.co.jp
※トップの写真について
納豆ごはんもパンも並び、それぞれ好きなものを食べる朝ごはん。「仕事の話はほとんどしません。孫が学校のことを話すのを聞いたり、生まれたばかりの4人目の様子を見たり」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです