(『天然生活』2014年12月号掲載)
近頃は、家庭で魚をおろす方が少なくなったそうですが、魚料理好きの私としては、なんだか少し、さびしい気がします。「おろすのは難しいのでは?」と感じている方、ご安心ください。この連載を通しておろし方を覚えれば、けっして難しくはありませんよ。
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長谷川弓子
さば 旬 9〜12月
![画像: さば 旬 9〜12月](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/10/08/c7029f5f54d26d4c2ae4b639d2e8898ccb65af9b.jpg)
秋も深まり、魚売り場で、丸々と太り、脂ののったさばが並びはじめました。「いまが一番おいしいよ」とささやいているように思えるほどです。
夏場に脂がのっておいしいのは「ごまさば」ですが、これからの時季におすすめしたいのは、やっぱり「真さば」。新米とも、相性はばっちりです。
さばの船場汁
大阪の問屋街の船場で生まれた料理です。しょうがのしぼり汁を入れると、臭み消しにもなります。
![画像1: さばの船場汁](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/10/08/60d968c60f5aa358d5a34c01a1aa2a391d62f00a.jpg)
大阪の船場が発祥の船場汁。本来はあらを使ってつくりますが、今回は贅沢に身をたっぷりと入れてつくりました。仕上げのお酢としょうが汁が、おいしさを引き立ててくれます。
材料(4人分)
- さば(三枚におろしたもの) 半身1枚
- 大根 4cm
- 水 900ml
- 昆布 20cm
- 塩 小さじ1
- 薄口しょうゆ 小さじ1/2
- 酢 小さじ1/2
- しょうがのしぼり汁 少々
- 貝割れ菜 少々
つくり方
- さばは腹骨をすき取り、小骨を骨抜きで抜いて1.5cm幅に切る。全体に薄く塩(分量外)をふり、熱湯にさっとくぐらせる。
- 大根は皮をむき、薄い短冊切りにする。貝割れ菜は半分に切る。
- 鍋に水、昆布、2の大根を入れて沸かし、沸騰直前に昆布を取り出し、1を加える。
- さばに火がとおったら、あくをていねいに取り除き、塩、薄口しょうゆで味をととのえる。火を止める直前に酢としょうがのしぼり汁を加え、お椀によそい、貝割れ菜を飾る。
![画像: 包丁をねかせて、腹骨をきれいにすき取る。端は刃を立てて落とす](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/10/08/67776109e28ad6396695075435f4db5d7f91d00f.jpg)
包丁をねかせて、腹骨をきれいにすき取る。端は刃を立てて落とす
![画像: 中骨は、骨抜きで、骨の方向に沿って斜め上方向に抜いていく](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/10/08/9499082b6a107bba58230b3e3fc221635780a584.jpg)
中骨は、骨抜きで、骨の方向に沿って斜め上方向に抜いていく
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<料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>
![画像2: さばの船場汁](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/04/23/b61a5d4e42dffb36f4e558f9b0d48dd4b4559de2.jpg)
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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