• 『天然生活』誌上に、2014年8月号から2016年2月号まで掲載された、人気連載「長谷川弓子 季節の魚料理」。その中から、秋の魚の代名詞「さんま」を取り上げた記事を紹介します。今回は、さんまの身でチーズと野菜を巻いて天ぷらをつくります。
    (『天然生活』2015年11月号掲載)

    近頃は、家庭で魚をおろす方が少なくなったそうですが、魚料理好きの私としては、なんだか少し、さびしい気がします。「おろすのは難しいのでは?」と感じている方、ご安心ください。この連載を通しておろし方を覚えれば、けっして難しくはありませんよ。

    長谷川弓子

    さんま 旬 8〜11月

    画像: さんま 旬 8〜11月

    秋の味覚の代表「さんま」は、冷凍技術の進歩によって、一年を通して手に入るようになりました。それでも、旬のこの時季の脂ののったさんまを塩焼きにして、大根おろしにしょうゆをかけた染めおろしを添え、すだちをギュッとしぼっていただくのは、最高です。

    塩焼き以外にも、さんまをおいしくいただく方法はたくさんあります。

    おいしいさんまの特徴は、口先が黄色く、ピンとおなかの張ったもの。見かけたらぜひ調理して、秋の味覚を存分に楽しんでください。

    さんまのチーズ入り天ぷら

    ひらいたさんまの上で、チーズと野菜を巻いて、揚げます。半分に切って盛りつければ、切り口が華やか。

    画像1: さんまのチーズ入り天ぷら

    材料(2人分)

    • さんま 1尾
    • スライスチーズ 1枚
    • さやいんげん 2本
    • セロリ 5cm
    • 焼きのり 1/4枚
    • A
      • 卵 1/2個
      • 水 50ml
      • 片栗粉 大さじ1
      • 小麦粉 大さじ2
    • 揚げ油 適量
    • 好みですだち 1個

    つくり方

    1. さんまは表面を水でさっと洗い、頭を落とし、肛門まで包丁を入れて内臓を出し、腹腔を水で洗う。頭側から中骨に沿って包丁を入れ、尾びれの際まで切り、裏返して同様にし、三枚におろす(大名おろし)。腹骨をすき取り、骨抜きで小骨を外す。半分に切る。
    2. 身の厚いほうから皮ギリギリに斜めに包丁を入れ、包丁を倒して身を返し、厚さを均等にし(下の写真をご参照ください)、塩(分量外)を薄くふる。
    3. いんげんは塩ゆでしたあと、4~5cm長さに切る。セロリは筋を取り、5mm角の拍子木切りにする。焼きのり、チーズは4等分に切る。
    4. 2の上に、のり、チーズ、野菜を順にのせてから巻き、ようじで固定する。混ぜ合わせたAをからませ、170~180℃の揚げ油でカラリと揚げる。半分に切って器に盛りつけ、好みですだちをしぼる。
    画像: 身の幅が狭く、やわらかい魚は、一気におろせる大名おろしが向いている

    身の幅が狭く、やわらかい魚は、一気におろせる大名おろしが向いている

    画像: 身の厚いほうから斜めに切り、包丁を左に倒して均等にする

    身の厚いほうから斜めに切り、包丁を左に倒して均等にする

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    <料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>

    画像2: さんまのチーズ入り天ぷら

    長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
    東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    ※ ※ ※

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)
    天然生活の本
    『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    A5判
    定価:本体 1,700円+税
    ISBN978-4-594-08464-6

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