• 「趣味は、暮らし」と笑う、料理家・横山タカ子さん。日々、保存食をつくり、運針をし、庭の手入れをする、四季とともにある日常を、自分流に、自由に楽しんでいます。それは、遊び心に溢れ、同時にとても美しい。そんな信州の季節に寄り添った、横山さんの四季の暮らしを、ご一緒に、ぜひお楽しみください。今回は、茶器好きな横山さんの、お茶のもてなしを。
    (横山タカ子・著『信州四季暮し』より)
    画像: 「お茶のおもてなし」・横山タカ子 信州四季暮らし

    「これは何でしょう?」。不思議そうな面持ちで来客が口にするもの—それは、老舗の羊よう羹かんを1cm角に切ってきな粉をまぶしたものです。ようじはもちろん、私の手製です。

     事務所も仕事場ももたない私は、打ち合わせも撮影も、プライベートな場所で行います。だから急な来客へのおもてなしも、おのずといつも家族が食べている、さもない品ばかりになります。

    いくら老舗の羊羹といえども、ひと口で頰張り切れない大きさでお出しすると、手を出していただけません。

    そこで、1cm角に切り、ひとつ、ふたつと器に運び、きな粉をまぶします。すると、さっぱり感が生まれて、完食してくれる。そのうれしさといったら。

    羊羹きな粉まぶし
    羊羹をひと口大の角切りにし、きな粉をまぶして即席おやつに。番茶のお茶請けにどうぞ

     いただきものの和菓子は、庭にある季節の葉にのせて。漬物は、いつも付き物でお出しします。信州人ですね。

    洋風の場合は、大きめのお皿に、カップとおやつをともにのせることも。常備しているのは、オーガニックレーズンのラム酒漬けと日本酒漬け、手作り甘酒と煮りんごの冷凍。それに、煮豆でしょうか。

    どれを組み合わせてもおいしい、お手軽なもてなしです。

    画像: 信州では手作りの漬物もお茶請けにします。野沢菜(左上)と、大葉や根菜を詰めた瓜の漬物(右下)、赤大根のぬき粕漬け(左下)で、お客さまをもてなします。

    信州では手作りの漬物もお茶請けにします。野沢菜(左上)と、大葉や根菜を詰めた瓜の漬物(右下)、赤大根のぬき粕漬け(左下)で、お客さまをもてなします。

    花梨ペースト

    画像: 花梨ペースト

    材料(作りやすい分量)

    • 花梨 900g
    • 酒 100ml
    • 蜂蜜 大さじ9

    作り方

    1. 花梨はくし形に切り、芯を切り取る。いったん塩水に浸し、すぐに引き上げて水けをきり、皮ごとすりおろす。
    2. 鍋に入れ、酒と蜂蜜を加え、火にかけて練り混ぜる。

    ※市販のクッキーに花梨ペーストをのせ、お茶のおやつに。花梨ペーストは晩秋にまとめて作り、瓶に詰めて保存しています。

    お気に入りのティーカップや紅茶缶。素敵な紅茶缶を見つけるとつい求めてしまいます。

    画像1: 作り方
    画像2: 作り方

    茶器好き。ティーポットはマリアージュフレールのものなど。

    画像3: 作り方
    画像4: 作り方
    画像5: 作り方
    画像: こちらは姑から譲り受けたもの

    こちらは姑から譲り受けたもの

    りんごの甘糀がけ

    画像: りんごの甘糀がけ

    材料(4人分)

    • りんご 2個
    • 糀 300g
    • 水 2と1/2カップ

    作り方

    1. 糀のかたまりを手でほぐし、電気炊飯器の内釜に入れて水を加える。
    2. 保温スイッチを入れてふたをし、2時間温めたら、甘糀のでき上がり。保存容器に取り出し、粗熱を取る。冷蔵庫で1週間保存できる。
    3. りんごは皮をむいて食べやすい大きさに切る。鍋に入れ、水をひたひたに注ぎ(分量外)、柔らかくなるまでことこと煮る。冷めるまでおき、味を落ち着かせる。
    4. 器に3を盛り、2を好みの量だけかける。

    <撮影/本間 寛>

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    料理研究家。長野県大町市生まれ、長野市在住。長年、保存食を中心とした長野の食文化を研究すべく各地に赴き、料理名人から教わる。長野県の特徴でもある、野菜をたっぷりと使った保存食は「適塩」で作り、季節の食材は手をかけすぎず、素材を生かしてシンプルに食べることを信条とする。地元の農作物を広める活動にも尽力。大の着物好きでもある。

    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    天然生活の本
    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

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    A5判
    定価 1,700円+税
    ISBN978-4-594-08303-8

    11月8日(金) 扶桑社より発売予定

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