藤井小牧・著『カフェ風精進料理 こまき食堂』より
豆乳冷や汁
こんがり焼き目をつけた味噌で、香ばしく仕上げます。味に一体感が出るように、よくすり混ぜながら。
材料 (4人分)
● 豆乳(成分無調整) | 400ml |
● ミニトマト | 5~6個 |
● きゅうり | 1本 |
● 大葉 | 2~3枚 |
● 昆布だし(※) | 200ml |
● 味噌 | 大さじ5 |
● 白ごま | 大さじ4 |
つくり方
1 すり鉢で白ごまをよくする。
2 ステンレス製のお玉に味噌をぬり、直火に当てて焼き、軽くこげ目をつける。1のすり鉢に加え、すりこ木でよくすり混ぜる。
3 昆布だしを沸騰させ、人肌に冷ましたものを2に加えてよくすり混ぜる。豆乳を注ぎ、冷蔵庫で1時間ほど冷やす。
4 きゅうりは薄切りにして塩もみし、水けをしぼる。ミニトマトはへたを取り、半分に切る。大葉はせん切りにする。
5 3に4を加える。
※ 昆布だしのつくり方
水1リットルに対し、昆布10cm角1枚を入れる。できるならひと晩、短くても30分はつけおく。
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精進料理の汁もの
たとえ、忙しくて家族にごはんをつくる時間が取れなくても、野菜がたくさん入っている汁ものとごはんさえあれば、なんとかなるものです。
だしは、時間があるときにまとめてとっておいてもよいかもしれません。
味噌汁なら、冷蔵庫にある野菜をだしでさっと煮て、味噌を手早く溶き入れれば完成。味噌を溶き入れずにミキサーにかければ、それは季節野菜のポタージュにもなります。
精進料理の考え方
1 五味・五色・五法
五味は、「甘・塩・酸・辛・苦」、五色は「黒・白・赤・黄・青(緑)」、五法は「生・煮る・蒸す・揚げる・炒める」を表します。この、五味・五色・五法を効果的に組み合わせることによって、栄養がととのい、バランスのよい食事をつくることができるのです。また、見た目も美しく、食べる側も楽しい気分になります。
2 「身土不二(しんどふじ)」
人間は自然の中の一部であり、自然環境の中で生かされています。その土地に生きる生物は、その土地で得られる食物を食べることで、その地で生きるための適応力を身につけているという法則が、この「身土不二」です。また、住んでいる土地、地域に身近な産物を大切にするという、「地産地消」を勧める言葉でもあります。
3 「旬」のものを食べる
旬の野菜や山菜にはパワーがあります。旬の時季にはどの野菜も最もエネルギーを蓄えているので、その季節に人間が一番必要とする栄養素や元気をもらうことができるのです。たとえば冬の根菜類は体を温め、夏の瓜類は熱を冷ます効果が。また、旬の野菜はその季節だけでなく、次の季節に合う体をつくります。
4 「一物全体(いちもつぜんたい)」
精進料理の調味料は控えめです。天地の恵みである農産物を大切にし、その素材の持ち味を十分に生かすことが、調理の基本だからです。また、野菜などは丸ごとすべてを使い切ります。命あったものを大事にして粗末にしない考えの根本は、殺生しないことと関連しており、何ひとつ、むだにしないことにつながります。
5 追いかけて逃げるものは食べない
精進料理では、魚も肉も口にしません。何を食べ、何を食べないのか。その簡単な見分け方のひとつが、「追いかけて逃げるものは食べない」です。動物不殺生は、精進料理の基本中の基本。そのこともあり、精進料理のだしにはかつお節が使われることはなく、昆布としいたけなどのきのこが使われているのです。
<料理/藤井小牧 撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美>
藤井小牧(ふじい・こまき)
臨済宗僧侶であり、精進料理家としても知られる藤井宗哲氏と精進料理家の藤井まり氏との間に生まれる。2013年、東京・秋葉原に、カフェ風精進料理を味わえる場として、「こまきしょくどう」をオープン、おかみとして日々、厨房に立ち、腕を振るう。
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こまきしょくどう
東京都千代田区神田練塀町8-2
TEL.03-5577-5358
http://konnichiha.net/komakishokudo/