• 精進料理は、堅苦しいもの。ストイックなもの。そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。けれど、精進料理はむしろ、どんな人でも受け入れることのできる、おおらかな料理なのです。お肉やお魚を食べられない人も、卵や牛乳にアレルギーを持つ人も、何の気兼ねをすることもなく、一緒に食卓を囲むことができます。主菜、副菜から甘いものまで、家庭で手軽につくれる精進料理のレシピを、「こまきしょくどう」の藤井小牧さんにうかがいました。今回は、豆腐白玉を使った「あんみつ」のつくり方を紹介します。
    藤井小牧・著『カフェ風精進料理 こまき食堂』より

    豆腐白玉あんみつ

    あんみつだって、すべて自家製でまかなえます。好みで旬のフルーツを添えても。

    画像: 豆腐白玉あんみつ

    材料 (4人分)

    〈寒天〉
    ・粉寒天5g
    ・水400ml
    〈黒蜜〉
    ・黒砂糖100g
    ・水300ml
    ● あんこ(※)適量
    ● 豆腐白玉(※)適量

    つくり方

     寒天をつくる。寒天の材料を鍋に入れ、木べらで混ぜ合わせる。ダマがなくなったら、火にかける。沸いたら火を止め、バットなどに入れて冷ます。

     黒蜜をつくる。鍋に黒蜜の材料を合わせ、強火にかける。沸いたら弱火にし、200ml程度になるまでじっくりと煮つめる。

     器に1cm角に切った寒天と、あんこ、豆腐白玉を盛りつけ、黒蜜をかける。

    ※ あんこのつくり方

    材料 (つくりやすい分量)

    ● 小豆(乾燥)500g
    ● 黒砂糖350g

    つくり方

     鍋に小豆と、小豆の3~5倍量の水を入れ、強火にかける。沸いたら弱火にし、豆がふっくらして指でつぶせる程度までゆでる。

     黒砂糖を2回に分けて加え、とろりとするまで煮つめる。

    ※ 豆腐白玉のつくり方(約12個分)

     白玉粉50gに水切りした木綿豆腐80gを入れ、豆腐の水分で練っていく。

     耳たぶくらいのやわらかさになったら、2~3cm程度の楕円に丸め、中央を指の腹で押し、白玉だんごを12個ほどつくる。

     沸騰した湯でゆで、浮いてきたら、氷水にとる。

    * * *

    精進料理の甘いもの

    精進料理の甘いものは、もちろん卵やバターを使いません。そこで大活躍するのは、和菓子の代表である、あんこ。よく考えてみると、昔から食べられているあんみつやところてんなど、和菓子のほとんどが精進料理として通用するものばかりです。

    また、精進料理のルールに則って洋菓子をつくることもできます。バターではなく米油などの植物油を使い、牛乳でなく豆乳を使います。隠し味にしょうゆや味噌を加えれば、やさしいコクやアクセントになり、どこか軽やかで、ちょっぴり和洋折衷な仕上がりになります。

    精進料理というと、どうしても禁欲的なイメージを持たれる方も多いとは思うのですが、本当はとてもおおらかなもの。食べたいものを無理に我慢する必要などありません。

    精進料理の考え方

     五味・五色・五法

    五味は、「甘・塩・酸・辛・苦」、五色は「黒・白・赤・黄・青(緑)」、五法は「生・煮る・蒸す・揚げる・炒める」を表します。この、五味・五色・五法を効果的に組み合わせることによって、栄養がととのい、バランスのよい食事をつくることができるのです。また、見た目も美しく、食べる側も楽しい気分になります。

     「身土不二(しんどふじ)」

    人間は自然の中の一部であり、自然環境の中で生かされています。その土地に生きる生物は、その土地で得られる食物を食べることで、その地で生きるための適応力を身につけているという法則が、この「身土不二」です。また、住んでいる土地、地域に身近な産物を大切にするという、「地産地消」を勧める言葉でもあります。

     「旬」のものを食べる

    旬の野菜や山菜にはパワーがあります。旬の時季にはどの野菜も最もエネルギーを蓄えているので、その季節に人間が一番必要とする栄養素や元気をもらうことができるのです。たとえば冬の根菜類は体を温め、夏の瓜類は熱を冷ます効果が。また、旬の野菜はその季節だけでなく、次の季節に合う体をつくります。

     「一物全体(いちもつぜんたい)」

    精進料理の調味料は控えめです。天地の恵みである農産物を大切にし、その素材の持ち味を十分に生かすことが、調理の基本だからです。また、野菜などは丸ごとすべてを使い切ります。命あったものを大事にして粗末にしない考えの根本は、殺生しないことと関連しており、何ひとつ、むだにしないことにつながります。

     追いかけて逃げるものは食べない

    精進料理では、魚も肉も口にしません。何を食べ、何を食べないのか。その簡単な見分け方のひとつが、「追いかけて逃げるものは食べない」です。動物不殺生は、精進料理の基本中の基本。そのこともあり、精進料理のだしにはかつお節が使われることはなく、昆布としいたけなどのきのこが使われているのです。



    <料理/藤井小牧 撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美>

    藤井小牧(ふじい・こまき)
    臨済宗僧侶であり、精進料理家としても知られる藤井宗哲氏と精進料理家の藤井まり氏との間に生まれる。2013年、東京・秋葉原に、カフェ風精進料理を味わえる場として、「こまきしょくどう」をオープン、おかみとして日々、厨房に立ち、腕を振るう。
    * * *
    こまきしょくどう
    東京都千代田区神田練塀町8-2
    TEL.03-5577-5358
    https://www.kamakura-komaki.com/

     
    天然生活の本『こまき食堂』(藤井 小牧・著)
    天然生活の本
    『こまき食堂』(藤井 小牧・著)

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    B5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN978-4-594-08460-8


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