(『天然生活』2016年11月号掲載)
小さな暮らしの3カ条
一 物は “とことん” 厳選
好きなテイストのもの以外は、できるだけ身のまわりに置かない。その潔さがあってこそ統一感が生まれる。
二 おしゃれに手を抜かない
どんなときも、おしゃれ心を忘れない。人に会うときは礼儀にもつながるので、より一層、装いに気を配る。
三 思い立ったら、すぐ行動
手づくり、おしゃれ、家事さえも。 “これいいかも” というアイデアが浮かんだら、すぐに実践する。
おふたりが暮らすのは、平屋の一軒家。柔らかい印象の黄味がかった壁に、無垢の床材、そして、キッチンや洗面所には、アクセントとなるブルーが効いています。
「自然に溶け合う色がいい、と夫婦で意見が合致して、茶とブルーをテーマカラーにしました」
単にブルーといっても、微妙に色合いが異なるため、何度も吟味して、一番しっくりくるブルーをチョイスしたそう。
また、色だけでなく、どんな小さなものでも、形、デザイン、使い勝手を踏まえて厳選し、見せる収納に徹底。さまざまに “こだわり” をもち、それを貫徹することが徳田さんの暮らしを形成しているのだと、その家へ一歩足を踏み入れただけで伝わってくるようです。
1 飾るようにインテリアを整える
夫婦そろってウインドーショッピングが大好き。部屋のあちこちに、ショップのように飾ってディスプレイしながら収納を楽しむコーナーが点在。
下の写真は玄関を入ってすぐの土間部分。旅先で購入した、かごや帽子、ご主人が好きで集めた瓶や古道具、洋書など、無造作にみえて、細部まできちっと計算されたうえで配置されている。
2 ドアや扉は、あえて付けない
家をつくる際にこだわったのは、「寝る、食べる、くつろぐ」が、ひと続きの空間でできること。そのため部屋と部屋の間にドアや扉は極力、付けず、布などで気楽に仕切るようなスタイルに。
「家全体の風通し、めぐりをよくしたかったのです。それに、相手がどこにいて何をしているか、何気なくわかるのもいいなと思っています」
3 週に一度は雑巾がけをする
安曇野に来てから、掃除の仕方も東京のときとは違ってきたそう。「掃除機やフローリングモップも使うけれど、ほうきやはたきなど、アナログな道具を使うことが多くなりました」。
また、週に一度の雑巾がけが習慣になったとのこと。「固く絞った雑巾で水ぶきすると、気持ちも引き締まって爽快。運動不足解消にもなります」
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<撮影/砂原 文 構成・文/結城 歩>
徳田民子(とくだ・たみこ)
文化出版局で『装苑』『ミセスのスタイルブック』などの編集長を務め、退職後、広告関係のディレクターをしていたご主人とともに長野・安曇野市に移住。現在はファッションコーディネーターとして、雑誌『ゆうゆう』での連載ページをもつなど、ゆったりとしたペースながらも仕事を続けている。著書に『安曇野便りの心地いい家仕事』(主婦の友社)がある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです