出版社を退職後、ご主人とともに、長野・安曇野市でシンプルライフを満喫している徳田民子さん。「物は少なく、心は豊かに」。そこかしこに、お手本にしたい小さな暮らしを楽しむ姿がありました。今回は、徳田さんが好きな「ブルー」を使った、簡単につくれる布小物とバッグのつくり方を教えてもらいました。
(『天然生活』2016年11月号掲載)
「洋服がとにかく好きなのです」と笑う徳田さん。それは安曇野に来てからも変わりません。
「でも、着るものや選ぶものは少し変わりましたね。前は全身黒みたいなマニッシュな装いが好きだったけれど、こちらの風景にはミスマッチなので、いまは、素材は綿や麻、色柄は自然に溶け合う色や落ち着いた柄が多いですね」
基本はカジュアルだけれど、色の選び方や、着崩し方、バランスのよさは、さすがのひと言。掃除や草むしりをするにも、テーマを決めて、お気に入りの洋服を選ぶというから驚かされます。
どんなときも、おしゃれを楽しみたいという徳田さん。おしゃれも含め、日々の暮らしをなにより満喫しているのだと、その朗らかに笑う表情が語っています。
当たり前のように続く日々を心豊かに面白く過ごすことができるかどうかは、場所も年齢も関係ありません。ちょっとした小さなことさえも楽しむ自分の心持ち次第。
徳田さんの暮らしぶりを見て、小さな暮らしを楽しむ術を改めて教わったような気がしました。
小さな暮らしの楽しみ「心和む裁縫の時間」
針を動かす時間はなによりも楽しい。裁縫は徳田さんの暮らしの根っこ。
大好きなブルーを使って、手づくり小物を
今回、簡単につくれる布小物とバッグのつくり方を教えてもらいました。どちらも、徳田さんの好きな “ブルー” を使って。シンプルレシピで、すぐにできる手軽さです。
ペーパータオル入れセット
お客さま用のペーパータオル入れと、そのごみ箱を帆布生地で。しっかり自立するように、外側にステッチを入れるのがポイント。
材料(ペーパータオル入れ、ごみ箱)
帆布(8号) | 29cm幅 41cm(ペーパータオル入れ分) |
33cm幅 28cm(ごみ箱分) |
製図
〈ペーパータオル入れ〉
〈ごみ箱〉
つくり方
1 製図をもとに、A〜D、A´〜D´のみに縫いしろ1cmをプラスして裁断する。
2 布の端すべてにジグザグミシンをかけて始末する。
3 ペーパータオル入れ、ごみ箱とともにAとA´、BとB´、CとC´、DとD´を中表にして縫い合わせる。
4 表に返して箱の形に整える。箱の四隅の上端から2cm、表からステッチをかけて押さえ、箱の上部をすぼめる。ごみ箱も同様にしてつくる。
青い斜め掛けバッグ
切りっぱなしOKのウール地で、バッグづくりも簡単。真ん中に縫い付けたパッチワークとの色合わせも楽しんで。
材料(バッグひとつ分)
モッサウール(縮絨ウール) | 86cm幅 71cm |
別布(好みの布) | 15×15cm(パッチワーク用) |
製図
つくり方
1 製図をもとにA、B、C部のみに縫いしろ1.5cmをプラスして裁断する。パッチワークは縫いしろなしで裁断する。
2 パッチワークの付け位置を参照して、パッチワークをジグザグミシンで縫い付ける。
3 肩ひも部分Aを中表にして縫い合わせ、縫いしろは割る。
4 Bを中表にして縫い合わせ、縫いしろは割る。
5 袋部分の前中心と後ろ中心が重なるように折り直し、底になる部分Cを縫い合わせて、表に返す。
6 最後に、肩ひもから入れ口までの断ち切り部分の端から3mmのところを、直線ミシンで縫う。さらにジグザグミシンで端を縫い、補強する。
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<撮影/砂原 文 トレース/はまだなぎさ 構成・文/結城 歩>
徳田民子(とくだ・たみこ)
文化出版局で『装苑』『ミセスのスタイルブック』などの編集長を務め、退職後、広告関係のディレクターをしていたご主人とともに長野・安曇野市に移住。現在はファッションコーディネーターとして、雑誌『ゆうゆう』での連載ページをもつなど、ゆったりとしたペースながらも仕事を続けている。著書に『安曇野便りの心地いい家仕事』(主婦の友社)がある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです