昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。 今回は、黄色くなったゆずでつくる「黄ゆずこしょう」のつくり方を、画家で料理家の藤田みどりさんに教わります。
『家仕事ごよみ』より
『家仕事ごよみ』より
黄ゆずこしょう 十二月から三月
ゆずこしょうは、青ゆずでつくるものが有名ですが、黄色くなったゆずでつくったものも、熟成感のある味わいで美味。
「まろやかに仕上げるために、九州の農家の方などは、砂糖を少し加えることが多いようです。でも、私は、麴の自然な甘味が好きなので、麴を加えて1カ月くらい熟成させて仕上げます」(藤田みどりさん)
用意するもの(つくりやすい分量)
● 黄ゆず | 5~7個 |
● 青とうがらし、または赤とうがらし | ゆずの皮と同量 |
● 米麴(生) | 100g |
● 塩 | 米麹を除く全重量の20% |
つくり方
1 米麴と塩をボウルに入れ、手でなじむまでよく混ぜる。米麴が手に入らない場合は、まろやかにするために、砂糖を大さじ1弱(分量外)入れる。
2 ゆずはよく洗い、皮をはぐ。1個分の果汁をしぼる。とうがらしは、辛いのが苦手な場合は種を取る。
3 ゆずの皮と果汁、とうがらしをフードプロセッサーに入れて攪拌する。
4 1に3を混ぜ合わせ、瓶に入れる。常温で1カ月ほど、ねかせてからいただくとよい。香りを持続させるなら、冷凍庫保存を。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
藤田みどり(ふじた・みどり)
料理家、画家。多摩美術大学絵画科卒業。英国王立園芸協会会員、北鎌倉湧水ネットワーク幹事、日本美術家連盟会員。北鎌倉の豊かな自然とひと続きの「台所」から生まれるおいしいレシピが人気。著書に『北鎌倉のお庭の台所』(主婦の友社)がある。
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