(『天然生活』2018年2月号掲載)
冷凍パン生地は、人の集まる時期にも大活躍
年末年始は、みんなで集まっておいしいものを食べる機会が多い時季です。和食が続いて洋風の味が恋しくなったら、手づくりのパンやピザに挑戦してみませんか。
「パンづくりって、やってみると意外と簡単なんですよ。ただ、待つ時間は少し長い。時間をできるだけ節約する方法を考え、発酵した生地を冷凍することにいき着きました」と高橋雅子さん。
もともとは、家族の食事時間に合わせてパンを焼き上げたいと思ったことが始まり。いまでは、時間があるときに生地をつくり、冷凍しておくことが暮らしの一部になっているとか。
「私にとって冷凍パン生地は、つくりおきの常備菜と同じ存在。ストックがあれば安心だし、来客時にも、あわてずに準備ができます」
基本の冷凍パン生地とシンプルフォカッチャのつくり方
少ない材料で、手軽につくれるパン生地。オリーブオイルが、ふっくら、さっくりとした食感を生み出します。
材料(8個分)
● 準強力粉(リスドォル) | 250g |
● 水 | 100g |
● 牛乳 | 65g |
● オリーブオイル | 8g |
● インスタントドライイースト | 小さじ1/2(1.5g) |
● きび砂糖 | 8g |
● 塩 | 4g |
● オリーブオイル | 適量 |
つくり方
1 混ぜる
大ボウルに水→ 牛乳→ オリーブオイル8g→ インスタントドライイースト→ きび砂糖→ 準強力粉→ 塩の順に入れ、カードを使って大きく混ぜる。まとまってきたら手でひとかたまりになるようにこね、ボウルがきれいになったら台に取り出す。
2 こねる
手の付け根を使って生地を台にこすりつけながら引き伸ばし、手前にまとめる。2~3回繰り返し、生地を90度回転させて同じ作業を繰り返す。3~5分こねると表面がツルッとしてくる。まとまるようになったら、こね上がり。
3 一次発酵
生地をひとまとめにして、底に送るように丸め、表面を張らせる。小さめのボウル(900ml程度)に入れ、ラップをかける。オーブンの発酵機能などを利用し、30℃の場所に1時間置く。生地が2倍程度に膨らんだら、一次発酵完了。
4 分割
生地を傷つけないようにカードで取り出し、8等分する。全体の重さを量って8で割り、カードで8分割して重さを等分にするとよい。 ※ 生地を切るときはカードで上から押し切り、生地をはがすようにする。
5 冷凍
ラップを30×18cmに切る。片側に生地を置き、一個につきオリーブオイル小さじ1/2を生地両面にまぶす。ラップを二つ折りにかぶせる。軽く押して平らにし、周りを折って四角く整え、保存袋に入れて冷凍する。日持ちは約1カ月。
6 解凍
生地を必要な数だけ冷凍庫から取り出し、ラップをしたままバットにのせる。室温(またはオーブンの発酵機能)に30〜50分ほど、または冷蔵庫に数時間置き、解凍する。ラップの上から押してみて、芯がなくなっていればOK。
7 成形
生地をラップから外し(生地が外れにくいときはカードを使う)、オーブンシートを敷いた天板に置く。オリーブオイルを生地一個につき小さじ1/2をかけて、全体を指で押して、ひとまわり大きな楕円形に整える。
8 二次発酵
生地に濡れぶきんをかけ、オーブンの発酵機能などを利用して、30℃の場所に20分置く。ふんわりと膨らんで二次発酵が終了したら、指で穴を数カ所あけ、オリーブオイルを一枚につき小さじ1/2ずつかける。
9 焼成
230℃に予熱したオーブンに入れ、12分焼く。途中でこげそうになったら、190℃に温度を下げる。焼き上がったら網の上に取り出す。 ※ パンとオリーブオイルが高温になっているので、やけどに注意してください。
<料理/高橋雅子 撮影/広瀬貴子 スタイリング/千國奈々子 取材・文/河合知子>
高橋雅子(たかはし・まさこ)
パンとワインの教室「わいんのある12ヶ月」主宰。家庭でつくれる本格的なパンと料理のレシピを提案している。著書『冷凍生地で焼きたてパン』が、2020年1月扶桑社より復刊。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです