• 昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。 今回は、雑菌の繁殖しにくい冬に行われてきた「味噌」の仕込み方を、生活評論家の境野米子さんに教わります。
    『家仕事ごよみ』より

    味噌の仕込み 一月から三月

    味噌づくりは、昔から「寒仕込み」といって、雑菌が繁殖しにくい一月~二月ごろに行うのが一般的。今回、味噌づくりを教えてくれた境野米子さんも、毎年二月に仕込むそうです。

    「大豆を煮るのが手間のかかる作業ですが、圧力鍋を利用すると、失敗なく短時間でできます。普通の鍋なら、水を加えながら大豆が指でつぶれるくらいまで弱火で8~10時間、煮ます。ときどきあくを取り、噴きこぼれにも注意して。そして、熟成させるときは、昔ながらの木樽を使うのがおすすめ。木材は呼吸するため、麴菌にとって居心地がよく、まろやかな味わいになります。手前味噌という言葉もあるように、自家製が一番。1kgなど少量からでもいいので、挑戦してみて」(境野米子さん)

    用意するもの(つくりやすい分量)

    ● 大豆3kg
    ● 米麴(麴屋さんなどで入手可)3kg
    ● 塩1.5kg

    [下準備]

    ホワイトリカーをスプレーボトルに入れ、木の樽(またはホウロウの容器)に吹きつけて消毒する。

    つくり方

     大豆はよく洗い、ボウルや大きな鍋に入れて、2〜3倍量の水に、ひと晩つける。ひと晩おいた豆は、いったんざるなどにあげて水をしっかりきっておく。

    画像1: つくり方

     麴は塩とよく混ぜ合わせる。手のひらでもみほぐすように全体を均一にする。麴のひと粒ひと粒がパラパラになったらOK。

    画像2: つくり方

     圧力鍋にの大豆とかぶるくらいの水を入れ、ふたをせずに3〜5分、煮る。そこで沸騰させて、出てきた泡をあく取りでしっかり取ることがポイント。

    画像3: つくり方

     圧力鍋にふたをして沸騰したら弱火にして、3〜5分、加熱。火を止めて、ふたが開けられるまで、12〜13分、待つ。

    画像4: つくり方

     温かいうちに親指と人さし指で大豆をつまんで、チェック。抵抗なくつぶれるくらいやわらかければOK。かたかったら鍋に戻して煮る。を繰り返し、大豆全量を煮る。

    画像5: つくり方

     大豆が煮上がったらざるにあげる。煮汁(種水)は捨てないで取り分けておく。種水は、あとで使う。

    画像6: つくり方

     の大豆は冷めないうちにつぶす。ミンサー(ひき肉機)でひく方法が便利。時間はかかるが、すり鉢ですりこ木ですりつぶす方法もある。大豆の粒が多少、残っていてもOK。

    画像7: つくり方

     の大豆に、の麴と塩をむらがないように混ぜる。の種水を加えて、粘土くらいのかたさになるまで混ぜ合わせる。

    画像8: つくり方

     仕込み用の樽の底に、ひとつかみのふり塩をする。

    画像9: つくり方

    10 をこぶし大くらいの味噌玉に丸める。仕込み用の樽に投げ入れ、空気を抜きながら、すき間なく隅々まで詰め込む。

    画像10: つくり方

    11 表面を平らにし、笹の葉またはさらしを敷きつめ、その上をラップでぴっちりと密封する。カビを防ぐために、なるべく空気に触れさせないようにすることが大切。

    画像11: つくり方

    12 11の上に木の押しぶたを置き、重しを置く。重しの目安は、仕込む重量の2〜3割、味噌の中の空気を抜くためなので、漬物ほど重くなくてOK。

    画像12: つくり方

    13 日が当たらない、納戸や軒下など温度変化の少ない涼しい場所に保管して熟成させる。量が少ない場合は冷蔵庫に入れるとよい。

    画像13: つくり方

    14 熟成が進んできた3カ月過ぎに天地返しをする。木のへらで8等分し、上下を返す。最初同様に密封し、重しを置く。

    画像14: つくり方

    15 好みによるが、1年以上、熟成させる。使う分だけ小さなホウロウの容器に移し、冷蔵庫に入れて保存する。

    画像15: つくり方

    <文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>

    境野米子(さかいの・こめこ)
    生活評論家、薬剤師。東京都立衛生研究所で食品添加物や残留農薬などについて研究。現在は福島県の山里で昔ながらの食を取り入れた生活を送る。近著に『子どもを放射能から守るレシピ77』(コモンズ)などがある。


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