平成の天皇・皇后両陛下(上皇・上皇后両陛下)のご成婚60年を記念し、宮中に伝わる四季折々のお料理や宮中行事のお料理を、宮内庁の監修により初めて公開した書籍『宮中 季節のお料理』。両陛下が日々お召し上がりになるお料理ではなく、お正月や節句などの季節の節目や両陛下のお誕生日、宮中祭祀などの年中行事の折に、宮殿や御所で供されるお料理を掲載しています。本書籍に掲載されたお料理の中から、一部を紹介いたします。今回は、「冬至」のご昼餐の際に供される「冬至小餅(とうじこもち)」を。
『宮中 季節のお料理』より
『宮中 季節のお料理』より
冬至小餅|十二月二十二日頃 ご昼餐時 御所にて
「冬至」のご昼餐の際には、両陛下に「冬至小餅」と呼ばれる餅が出されます。これは、丸い小さな餅を軽くあぶって小皿に盛り、柚子味噌をのせたもの。柚子味噌は、白味噌に砂糖と水を入れて練り上げ、柚子の風味をつけます。
コラム: 冬至
二十四節気のひとつ「冬至」は、夏至とは反対に、一年のうちで最も昼の時間が短く、夜が長くなる日です。古代中国ではこの日を元日とし、冬至を一年の始まりとしていました。
日本では、こんにゃくやかぼちゃなど特定の食べ物を食する風習が各地に残っています。また、風呂に柚子の実を浮かべた「柚子湯」に浸かる風習は、広く知られるところです。