「ひざ痛」は中高年世代の国民病!?
寒さが厳しい季節になると、「関節が痛む」ことがあります。そして、関節痛の悩みで多いのが「ひざの痛み」なのです。
日本において、「ひざ痛」の悩みを抱える人は意外と多く、早い人では40代から始まり、女性は50代半ばから、男性は60代半ばから急増します。
その原因としてもっとも多いのが「変形性膝関節症」です。
「変形性膝関節症」の日本における推定患者数は、自覚症状がある患者で1,000万人、自覚症状がない人も合わせると3,000万人にも達し、別名「中高年世代の国民病」といわれています。
「変形性膝関節症」の原因は加齢
関節は骨と骨を連結させており、そのジョイント部分の骨の表面は、水分をたっぷり含んだ軟骨で覆われています。
ところが年をとると軟骨がすり減ってクッション機能が低下し、土台となる骨が変形してしまい、その結果、痛みを感じるようになるのです。
そこで、重要になってくるのが動物の骨や皮に多く含まれている「コラーゲン」。城西大学薬学部医療栄養学科教授の真野博先生によると、「コラーゲン」には関節の軟骨細胞に働きかけ、ひざの変形にストップをかける作用があるそうです。
料理研究家・小田真規子さんも、ある日突然、つらい「ひざ痛」に悩むようになりました。そこで、コラーゲンを多く含む食材を調べ、毎日重点的に食べるように心がけたおかげか、痛みが消えたそうです。
そんな小田真規子さんに、よく食べているコラーゲンを補う料理を紹介してもらいました。
「鶏スペアリブのスタミナ炒め」
材料(2人分)
● 鶏スペアリブ | 350g |
● 塩 | 小さじ1/2 |
● キャベツ | 4枚(200g) |
● にんにく | 2かけ |
● ごま油 | 大さじ1 |
● A | |
・しょうゆ | 小さじ2 |
・レモン汁 | 小さじ2 |
・粗びきこしょう | 小さじ1/2 |
つくり方
1 鶏スペアリブは塩をからめる。キャベツは4cm角に切る。にんにくは5mm角に切る。
2 フライパンにごま油を中火で熱し、1のにんにく、鶏スペアリブを入れて4~5分焼く。焼き色がついたら上下を返し、1のキャベツを加えて2~3分炒める。全体になじむように炒め合わせ、Aを回しかけて味をからめる。
1日にとりたいコラーゲンの量の目安は5~10g。鶏手羽先なら100g当たり1.55gのコラーゲンが含まれるそうです。
もっと詳しい情報は、小田真規子/著、城西大学薬学部教授・真野博/監修の『ひざ痛になりたくなければ、お食べなさい』(扶桑社刊)に掲載されています。
<撮影/難波雄史 イラスト/山口正児>
小田真規子(おだ・まきこ)
料理研究家・栄養士・フードディレクター。家庭料理をテーマに、料理・生活雑誌のオリジナルレシピを発表するなど、多方面に活躍。著書に『つくりおきおかづで朝つめるだけ!弁当』(扶桑社)、『栄養まるごと10割レシピ』(世界文化社)、『シニアの減塩するからおいしいレシピ』(NHK出版)などがある
真野 博(まの・ひろし)
城西大学薬学部医療栄養学科(管理栄養士養成課程)教授。専門分野は食品機能学、骨代謝学、分子細胞生物学で、「コラーゲンペプチドの運動器に及ぼす作用」を研究中