多くの「ひざ痛」の原因は老化から
日本で「中高年世代の国民病」といわれる「ひざ痛」。寒くなるととくに症状がひどくなることがあります。そんな「ひざ痛」の原因について、コラーゲンの研究の第一人者である城西大学薬学部教授・真野博先生にうかがいました。
「中高年になってひざの痛みを感じたら、まず『変形性膝関節症』を疑ってみてもよいでしょう。その主な原因は老化ですが、加齢で筋力が低下すると体の重みが膝関節に集中してしまうのも症状を悪化させる原因になっています。また、肥満や悪い姿勢、ひざに負担がかかる仕事やスポーツ、外傷が引き金になって発症することも」
関節は一度変形してしまうと、元の形に戻すのが難しくなります。できれば変形が始まらないうちにひざの異常に気づき、早めに対策に取り組みたいものです。
コラーゲンで関節の老化を予防
「コラーゲンには関節の軟骨細胞に働きかけ、変形にストップをかける作用があることがわかっています。関節がなめらかに動くのは、軟骨に大量に含まれているヒアルロン酸のおかげです。コラーゲンを摂取することで、このヒアルロン酸をつくる軟骨細胞に働きかけて合成を促進します」(真野先生)
一般的に50歳を過ぎると、関節の衰えが始まります。積極的にコラーゲンをとることで、関節の老化を防ぎましょう!
冬にうれしいコラーゲンたっぷりの鍋
自らも「ひざ痛」に悩んだことのある料理研究家・小田真規子さんに、コラーゲンがたっぷりの汁までおいしい鍋のレシピを紹介してもらいました。
「鶏手羽先と春雨の煮込み鍋」
材料を切って鍋に入れ、煮込むだけだから簡単でお手軽な鍋。春雨は戻さずそのまま入れ、コラーゲンたっぷりの汁を吸わせて、あますことなくいただきましょう。
材料(2~3人分)
● 鶏手羽先 | 8~10本(400~ 450g) |
● 春雨 | 50g |
● 白菜 | 1/4個 |
● しいたけ | 6枚 |
● しょうが | 1かけ |
● A | |
・塩 | 小さじ1 |
・ごま油 | 大さじ1 |
● 水 | 3カップ |
● すりごま(白) | 大さじ1 |
つくり方
1 手羽先はキッチンバサミで関節から先を切り落とす。白菜の軸は3×6cmの短冊切りにし、葉はちぎる。しいたけは石づきを除いて縦に裂く。しょうがは薄切りにする。
2 1の手羽先にAを順にからめて10分おく。切り落とした先ごと鍋に入れ、1のしょうが、しいたけ、春雨、1の白菜の軸を順に加え、分量の水を注いでフタをし、強火にかける。煮立ったら弱火で20分煮、1の白菜の葉を加え、上下を返してさらに5分煮、ごまをふる。好みで酢、ごま油、塩(各分量外)を加えていただく。
*先の部分もコラーゲンたっぷりのスープがでるので、一緒に煮込む。キッチンバサミで切っておくとラクチンです。
もっと詳しい情報は、小田真規子/著、城西大学薬学部教授・真野博/監修の『ひざ痛になりたくなければ、お食べなさい』(扶桑社刊)に掲載されています。
<撮影/難波雄史 イラスト/山口正児>
小田真規子(おだ・まきこ)
料理研究家・栄養士・フードディレクター。家庭料理をテーマに、料理・生活雑誌のオリジナルレシピを発表するなど、多方面に活躍。著書に『つくりおきおかづで朝つめるだけ!弁当』(扶桑社)、『栄養まるごと10割レシピ』(世界文化社)、『シニアの減塩するからおいしいレシピ』(NHK出版)などがある
真野 博(まの・ひろし)
城西大学薬学部医療栄養学科(管理栄養士養成課程)教授。専門分野は食品機能学、骨代謝学、分子細胞生物学で、「コラーゲンペプチドの運動器に及ぼす作用」を研究中