昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。 今回は、「わらびの佃煮」のつくり方を、生活評論家の境野米子さんに教わります。
『家仕事ごよみ』より
『家仕事ごよみ』より
わらびの佃煮 三月から五月
わらびはあくがとても強く鮮度も落ちやすいため、生のまま保存はできません。そこで、なるべく早くあく抜きするのが重要です。
あく抜きというと面倒そうですが、境野米子さんが教えてくれたのは、重曹を使う手軽な方法です。
「重曹を入れた湯でゆでて、流水にさらせばOKです。このとき、ゆですぎると食感が悪くなるので注意して。あく抜きしたわらびは、そのままでは保存が利かないため、さっと塩味をつけておくと味噌汁の具にもなるし、また佃煮にするとかなり保存できます。この方法は、たらの芽、うど、ふき、つくし、ふきのとうなどにも応用できますよ。常温で1〜2週間、冷蔵庫で1カ月、保存できます」(境野米子さん)
用意するもの(つくりやすい分量)
● わらび | 500g |
● しょうゆ | 100ml |
● みりん | 100ml |
● 酒 | 50ml |
● 好みで赤とうがらし | 適量 |
つくり方
1 わらびのあく抜きをする。わらびは、水1リットルに対して重曹小さじ1を入れた湯で3分くらいゆでる。冷水に取り、流水にさらす。
2 1のわらびはざるにあげて水けをきり、4cm長さに切る。
3 鍋にしょうゆ、みりん、酒と2のわらびを入れて火にかける。煮汁がほとんどなくなるまで煮る。好みで、きざんだとうがらしを加えて煮る。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
境野米子(さかいの・こめこ)
生活評論家、薬剤師。東京都立衛生研究所で食品添加物や残留農薬などについて研究。現在は福島県の山里で昔ながらの食を取り入れた生活を送る。近著に『子どもを放射能から守るレシピ77』(コモンズ)などがある。
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