昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。今回は、「よもぎ茶」のつくり方を、画家で料理家の藤田みどりさんに教わります。
『家仕事ごよみ』より
『家仕事ごよみ』より
よもぎ茶 三月から五月
幼いころ、春先、土手や野原で、よもぎの若芽摘みを楽しんだ人も多いのではないでしょうか?
よもぎには、独特の香りがあり、おなじみの草餅の材料として使われるのはもちろん、古くから生薬として、食べる、飲む、つかる、香りをかぐ、もぐさにするなど、万能薬として珍重されてきました。藤田みどりさんも、毎春、おかゆや天ぷらのほか、お茶にして楽しんでいます。
「薬効成分豊富なよもぎはお茶にして飲用すると解毒作用があり、冷え性、生理痛の改善などに効果があるとされています。乾燥後、から炒りすると香りがよく仕上がります。春の野草特有の、少し苦味のある味わいは体を目覚めさせてくれるようで、クセになります」(藤田みどりさん)
用意するもの
● よもぎ
つくり方
1 よもぎは、葉の根元の汚い部分を取り除き、水でよく洗う。
2 大きいものはざく切りにし、日なたに2〜3日、干す。そのあと、フライパンでから炒りする。
3 急須によもぎ茶を入れ、熱湯を注いでいただく。土瓶などで1〜2分、煮出すと、よもぎの香りがより楽しめる。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
藤田みどり(ふじた・みどり)
料理家、画家。多摩美術大学絵画科卒業。英国王立園芸協会会員、北鎌倉湧水ネットワーク幹事、日本美術家連盟会員。北鎌倉の豊かな自然とひと続きの「台所」から生まれるおいしいレシピが人気。著書に『北鎌倉のお庭の台所』(主婦の友社)がある。
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