お菓子はほとんど手づくりするという、はなさん。何度もつくっている、とっておきのレシピを教えてもらいます。毎月30日更新。
hana’s memo
初夏を迎えると、必ず食べたくなるのが、レモンメレンゲパイ。
ちょっと工程が多いかもしれませんが、レモンフィリングの酸味を自分の好みに調整できるので、自家製がおすすめです。
栗きんとんと同じで、レモンフィリングの黄金色を出すためには、白い砂糖を使います。
さらに、このパイはつくった当日に食べないと、どうしてもメレンゲ部分が「weep」します。この「weep」とは「すすり泣き」という意味で、時間が経つとメレンゲが突然、泣き出します(笑)。
英語のレシピなどで良く使われている表現ですが、メレンゲの涙はペーパータオルなどで拭き取れば、大丈夫!
ふわふわの甘いメレンゲと、甘酸っぱいレモンの香りが口の中で広がった瞬間は、至福のひととき。無農薬のレモンが手に入ったときはぜひつくっていただきたいお菓子です。
手土産に持って行くときは、大きめの保存容器の蓋を下にして使うと、ホールケーキを崩さずに移動できます。
レモンメレンゲパイのつくり方
材料(18cmのパイ皿ひとつ分)
〈パイ生地〉 | |
● 薄力粉 | 150g |
● きび砂糖 | 20g |
● 卵黄 | 1個分 |
● バター(食塩不使用) | 100g |
● 冷水 | 小さじ2 |
〈レモンフィリング〉 | |
● 無農薬レモン | 3個 |
● 卵黄 | 2個分 |
● コーンスターチ | 40g |
● グラニュー糖 | 90g |
● バター(食塩不使用) | 25g |
● 水 | 200cc |
〈メレンゲ〉 | |
● 卵白 | 4個分 |
● グラニュー糖 | 80g |
● レモン汁(レモンフィリングで準備したものを使用) | 小さじ1/2 |
下準備
・バターは1cm角に切る(すぐに使わない場合は切ってから冷蔵庫で冷やしておく)。
・パイ生地用の水は使う直前まで冷蔵庫で冷やす。
・オーブンを200℃に予熱する。
・卵黄は常温に戻す。
・無農薬レモン3個はしぼり、レモン汁をつくる(約100cc)。その中から小さじ1/2はメレンゲ用にとっておく。レモンの皮は小さじ1分すりおろす。
・卵白はボウルに移し、冷凍庫に入れておく。
[はなよりひと言]
美しいメレンゲをつくるにはいろいろなコツがありますが、卵白がボウルに当たる部分と表面がうっすら凍るまで冷凍庫に入れておくと、しっかりとしたメレンゲに仕上がります。
つくり方
1 パイ生地をつくる。フードプロセッサーに薄力粉、きび砂糖、バターを入れ、混ぜ合わせる。卵黄と冷水を加え、生地が軽くまとまるまで混ぜる。フードプロセッサーから生地を取り出し、手でまとめ、あとで伸ばしやすいように少し平らにした状態で冷蔵庫に入れ20分ほど寝かせる。
2 生地を冷蔵庫から取り出し、約5mmの薄さまで麺棒で伸ばす。パイ皿の縁が隠れるまで、皿全体にパイ生地をかぶせる。フォークの背を縁の部分に軽く押し付け、さらに底全体に(フォークの先で)穴を開ける。
[はなよりひと言]
薄力粉(分量外)を台と麺棒にまぶしておくと生地がくっつきにくくなります。 パイ生地の底に穴をブスブス開けることで、底がふくらむのを防ぎます。
3 パイ生地の上にアルミホイル(またはクッキングシート)を敷き、その上にタルト生地用の重石約350g(なければ同量の小豆など)をまんべんなくのせる。200℃に予熱したオーブンで18~20分焼く。重石を外し、温度を180℃に下げて5分ほど、パイ生地がきつね色になるまで焼く。
4 レモンフィリングをつくる。レモン汁約100ccとレモンの皮小さじ1を耐熱ボウルに入れ、さらにコーンスターチを加え、泡立て器で混ぜ合わせる。鍋に水を沸かし、ボウルに加えて混ぜ、鍋に戻す。鍋を弱火にかけ、木べらで底が焦げ付かないようにしっかり混ぜる。プツプツ湧いてきたら1分30秒ほど、しっかりとしたとろみが付くまでひたすら混ぜる。
[はなよりひと言]
コーンスターチが入っているので、液体が固まりやすいです。ここは手早く混ぜましょう。生地に透明感が出て、ポテッとするまでがんばって混ぜ続けます!
5 鍋を火からおろし、卵黄、グラニュー糖を加え、よく混ぜてから最後にバターを加え、さらに混ぜる。
[はなよりひと言]
バターを加えることで生地にコクが出て、輝きも増します。
6 焼きあがったパイ生地に5のレモンフィリングを入れて冷ます。
7 メレンゲをつくる。冷凍庫から卵白を出し、分量の1/4ほどの砂糖と、レモン汁小さじ1/2を加え、泡立て器で泡立てる。
8 少し泡立ったら、砂糖を1/4ずつ加える。これをあと2回、繰り返しながら、卵白に「ツノ」ができるまでしっかり泡立てる。
[はなよりひと言]
目安としては、泡立て器を卵白から抜いたときにピンとした「ツノ」ができるまで泡立て続けます。ツノの先端がふにゃっと落ちる場合は、まだ泡立てが足りない証拠。「もういいかな?」と思ってから30秒ほど泡立てを続けると、しっかりしたメレンゲに仕上がります。
9 8のメレンゲを6の上にのせる。ゴムベラで、メレンゲの表面にいくつかの「ツノ」をつくる。
[はなよりひと言]
パイ生地の縁までしっかりメレンゲを伸ばし、隙間がなくなるようにしましょう。
10 表面にきつね色の焦げ目が付くまで、180℃に予熱したオーブンで7分ほど焼く。
はな
モデル・タレント。神奈川県横浜市出身。17才からモデル活動を始める。現在は、ファッション誌で活躍するかたわら、FMヨコハマ「Lovely Day♡〜hana金〜」のナビゲーターや、日本テレビ「夢の通り道」のナレーションも務めるなど、幅広く活躍している。趣味はお菓子づくりや茶道、仏像鑑賞。著書に『はな、茶の湯に出会う』(淡交社)、『hana’s style book』(宝島社)、『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』(幻冬舎)、『おくるおかし』(集英社)など。朝日新聞デジタル&TRAVEL「はなのたびたび旅日記」連載中。
Instagram https://www.instagram.com/hanalovestaco/
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天然生活webの連載「はなのお菓子」で人気のレシピを集めて、1冊にまとめました。「いちごショートケーキ」「タルトタタン」「台湾カステラ」「バスクチーズケーキ」など、はなさんが試作を重ねてできた32のレシピ。ぜひお家でつくってみてください。お菓子づくりに目覚めたきっかけなどについてのインタビューも掲載しています。