(『天然生活』2016年12月号掲載)
家計管理のチェックリスト
ひとつでも思い当たるところがあったら、お金が散らかっているサインかもしれません。
家計簿に挫折したことがある
カードやレシートで財布がパンパン
家計がそこまで切迫していない
「節約」が好きではない
1年以上、出し入れしていない通帳がある
人の話やSNSの情報に影響されやすい
冷蔵庫内のものを腐らせがち
家の片づけが苦手
整え方を知れば、お金ともっと楽しくつきあえます。
“お金の通り道” を意識する
「『財布にお金がない。急いでATMに行かなくちゃ』『え、今月はこんなにカードの請求が?』。以前の私は、こんなふうにお金とつきあっていました。実は、上のチェックリストの項目は、私の家計管理がうまくいかなかった理由なのです」
そう話す、マネーコンサルタントの市居愛さん。
しかし突然、市居さん自身が育児と仕事のストレスで病気になり、退職。
時を同じくして、ご主人が勤めていた会社も倒産。
子どもを抱えながら夫婦ともに無職でお金がない、という状況に直面します。
「当時は先のみえない不安で、心が押しつぶされそうでした」と市居さん。
ですが、そんな経験を経て、市居さんは “何に使ったか”(過去)よりも、“いまと、その先”(現在と未来)のお金を意識するようになったとか。
「お金は、ないのではなく、散らかっているだけ。“お金の通り道” をシンプルにすることで、家計全体が把握しやすくなり、むだ遣いが減り、お金はたまりだす、と考えました」
お金の通り道に着目すれば “ある” お金がみえてくる
具体的なお金の通り道とは、まずは財布と通帳。さらに冷蔵庫も、お金の通り道のひとつだと、市居さんはいいます。
「これらの通り道を意識しないと、お金はちょろちょろ漏れ出し、いつの間にか、なくなっていることも。そこでたとえば、月の初めに財布に9万円を入れ、それで1カ月やりくりする。銀行やATMで現金を引き出すのは月に2回まで、買い物は週2回だけ、など自分なりのルールをつくり、お金の通り道をシンプルにしましょう」
大切なのは、無理せず続けられるシステムづくり。
物が多いと片づけるのに労力がいりますが、家計も同じ。管理するものが多いほど労力を要します。
「わが家にとって、何が必要で、何が不要か。それを見極めれば、お金の流れをシンプルにするのは簡単です。『うちにはお金がない』と思っていても、その通り道に着目すれば、散らかっているだけで、実は “ある” ことに気づけるはず。ないことを嘆くのではなく、これから先=未来のお金を考える。それが、家計管理を楽しく続ける秘訣かもしれません」
〈監修/市居 愛 イラスト・文字/くぼあやこ 取材・文/宇野津暢子〉
市居 愛(いちい・あい)
マネーコンサルタント。マザーミー代表取締役。夫婦無職という自身の経験をもとに、主婦のお金の悩みを解消するコンサルティングや起業支援アドバイスなどを行う。著書『お金を整える』(サンマーク出版)が話題に。2児の母。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです