(『天然生活』2016年12月号掲載)
家計管理のヒント
買いものの工夫
市居さんにお金の通り道の整え方を伺いました。今回は、お買いものの工夫を。お金とうまくつきあえて、家計管理も簡単になるヒントです。
ヒント 1
食材の買い方を決める
まずは、よく買っている食材を中心に、“1週間買いものリスト” を書き出す。
料理をつくりすぎて捨てたり、腐らせたりする場合は、リストの量を調整して。
次に、どのくらいの頻度で、いつ買い物に行くかも決める。たとえば、週に2回、月曜はまとめ買い、木曜は補足買いの日とし、買い物に行く日も手帳に記入。
日曜には、すべての食材を食べきるのがルール。
この方法なら、食べきる分だけの食材が買え、むだな買い物も減り、食費も減らせて一石二鳥。
ヒント 2
行く店を増やさない
見たら見た分だけ、欲しいものが見つかるのが人間の心理。
つまり、行く店を増やさず、なるべく決まった店で買い物をするのが、お金の通り道をよりシンプルにする早道。
“常連さん” になれば、たとえば八百屋さんなら、おまけや値引きをしてもらえたり、洋服店なら、店員さんが以前に買った服を覚えていて、「このブラウスは、去年、購入されたあのパンツにも合いますよ」などとアドバイスをしてくれたり。
買う店を決めることで、信用度や親密さなども増す。
ヒント 3
買いものを正当化しない
「今日から70%オフなんて運がいい」「いま買わないと、後悔する」……衝動買いをする人は、何かと理由をつけて、買う行為を正当化するもの。
でも、タイムセールで服を買って帰宅してみると、クローゼットには似たような素材や色の服がかかっていることも……。
10,000円の服が5,000円になっている、2枚買えば3枚目がタダ、などの値引きにひかれて買うのではなく、そもそも、その服に価値があるのか、自分にとっていま必要なのか、を冷静に考えるべき。
ヒント 4
なくても大丈夫になる
買いものしたりネットを見たりすると、「便利かも」「家族が喜ぶかも」といった気持ちがわき上がるもの。
そんなときは、「何かで代用できないか」と視点を変えて。
また、以前に捨てたものをよく覚えておくことも大切。覚えておけば、それが “使いつづけるかどうか” の指針にもなる。
「なくても大丈夫」「自分は満たされている」
そう思えると、心が整い、人の話やSNSの情報に振りまわされることも減る。
心が整うと、お金も整い、ひいては生き方も整ってくる。
ヒント 5
住宅ローンを見直す
最後に、ぜひ知ってほしいのが、金額が大きすぎて感覚がマヒし、見直す必要性を感じなくなりがちな住宅ローンのこと。
金利が1%違うだけでも支払う金額が大きく変わるので、とくにローン残高が10,000,000円以上ある人、返済期間が10年以上残っている人、金利を1%以上減らせる人は、ぜひ借り換えを検討して。
銀行への相談は、現在、借りているA銀行より先に別のB銀行にするのが得策。ただし、借り換えには別途諸費用が必要なので注意して。
〈監修/市居 愛 イラスト・文字/くぼあやこ 取材・文/宇野津暢子〉
市居 愛(いちい・あい)
マネーコンサルタント。マザーミー代表取締役。夫婦無職という自身の経験をもとに、主婦のお金の悩みを解消するコンサルティングや起業支援アドバイスなどを行う。著書『お金を整える』(サンマーク出版)が話題に。2児の母。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです