(『天然生活』2016年12月号掲載)
家計管理のヒント
お財布まわりの工夫
市居さんにお金の通り道の整え方を伺いました。今回は、お財布にまつわる工夫を。お金とうまくつきあえて、家計管理も簡単になるヒントです。
ヒント 1
キャッシュカードは持ち歩かない
「財布にお金があると、全部使っちゃいそうで怖い。だから現金は少ししか持ち歩かない」という人が多いけれど、その場合、足りなくなるとキャッシュカードで現金をおろす→全部で幾らおろしたかわからなくなる、という悪循環に。
毎月の予算を決めたら、決めた日に、決めた金額をおろし、その日以外は家でキャッシュカードを保管してみて。
気軽にお金を引き出せない状況にしておくと、財布の現金を常に気にかけるようになり、衝動買いも抑えられる。
ヒント 2
レシートはもらわない
「一応もらっておこう」「いずれ家計簿に書くかも」などの理由でレシートをもらい、財布に入れっぱなしの人も多いけれど、もらっただけで管理している気になったり、レシートの束のせいで肝心のお金が見えづらくなったりしていませんか?
それよりは、思いきってレシートはもらわない、必要なものは、その日のうちに財布以外の箱に移すなどの工夫を。
財布の中がレシートだらけだと、お金の使い方も雑になりやすいもの。財布はいつも、すっきりと整えて。
ヒント 3
財布の中にカード類は5枚
おすすめは、財布に入れるカードを5枚に絞ること。
まずは、使用頻度の高いクレジットカードを1枚。1枚ならポイントも集中してたまり、毎月の請求も把握しやすくなるはず。
また、ポイントカードは、増えるほどに行く店も増え、むだ遣いも増えるので3枚に限定。
過去1年以内にポイントを換金していないカードは処分を検討して。
残る1枚は運転免許証などの証書類。健康に不安がなければ、保険証や診察券は病院に行くときだけ持てば十分。
ヒント 4
財布内の住所を決める
物の住所を決めると家が片づくのと同様に、カードとお金の住所を決めれば、財布も整う。
使用頻度の高いカードは取り出しやすい場所に、運転免許証などは取り出しにくい場所に入れて。
お札は一万円札を一番手前にし、千円札が手前にあるよりも、「お金をコントロールしよう」という自制心が働くように配慮。
さらに、お守りの一万円札も3つ折りにしてカード入れに。
本当に足りなくなったらこれがある、という安心感が、逆に、むだ遣いを防いでくれる。
ヒント 5
財布を開かない日をつくる
自分で意識的に “財布を開かない日” をつくると、むだ遣いが減り、お金を使わなかったことに喜びを感じられるようになる。
この “断金モチベーション” を上げるためにも、財布を開かなかった日には手帳にシールを貼り、「がんばった、私」と自分をほめてあげて。
さらにおすすめなのは “3日間断金生活” 。
3日分の食料をまとめ買いし、お金を使わない3日間に挑戦。これができると、お金が減らない快感をさらに実感。
まずは1カ月に1度、お試しあれ。
〈監修/市居 愛 イラスト・文字/くぼあやこ 取材・文/宇野津暢子〉
市居 愛(いちい・あい)
マネーコンサルタント。マザーミー代表取締役。夫婦無職という自身の経験をもとに、主婦のお金の悩みを解消するコンサルティングや起業支援アドバイスなどを行う。著書『お金を整える』(サンマーク出版)が話題に。2児の母。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです