(『天然生活』2017年1月号掲載)
台所仕事をもっと段取りよく 6つのコツ
1 洗いかごは小さいものを
4人家族のときから使いつづけてきたのが、この小さな水切りかご。「あえて小さくすることで、ここにためることなく、洗ったらすぐふくという習慣をつけることができるでしょう?」と坂井さん。「また、すぐ使うものでも、しまうことが大事。リセットすることで、スムーズに次の作業にとりかかれます」
2 ブックスタンドを活用する
片づけの基本は、家中のものに「指定席」をつくること。そして、使いやすく、見た目もきれいなように、しまうこと。木の皿やトレイなどは、重ねずにブックスタンドを利用して立てて並べると、「上のものをのけて下のものを出す」という手間もなく、元の場所にしまうことが億劫でなくなる。
3 すぐ使える状態でしまう
料理中に何度も手にするしょうゆや酒、オイル類などの調味料は、瓶に移し替えて、キッチンの調理台の片隅に、トレイにのせてスタンバイさせておく。シンク下からわざわざ取り出すこともなく、すぐに使えてぐんとスピーディに。口にはカクテル用の注ぎ口を付けておくと、ふたの開け閉めの手間も省ける。
4 スーパーの袋はサイズごとにたたんで収納
レジ袋は、三角形に折ったり結んだりせず、ただ小さくたたむだけにしたほうがかさばらない。大、中、小と分け、紙箱を区切ってサイズ別にしまうと選びやすい。
5 冷蔵庫の野菜類は帰ったらすぐに洗ってしまう
野菜を買ってきたら、そのまま冷蔵庫に入れずに洗って小分けにしたりカットしたりして「すぐに使える状態」にしてからしまう。このひと手間で食事の支度がぐんとラクになる。
6 家庭だしはおき時間なしでも
だしをとるときは、鍋に水と昆布、かつお節を入れ、中火にかけて、沸騰直前に弱火にして5分で火を止める。昆布をつけておいたり途中で取り出したりという手間がなく、簡単。
効率をよくする少しのこと
習慣にする
指定席をつくる
定番を決める
坂井さんのお気に入りストック品
白雪ふきん
キッチンまわりのふき掃除に使っている。蚊帳生地を何枚も重ねてつくったふきんなので、吸水性が抜群で丈夫なのが特徴。坂井さんは、いつも無地の真っ白なものを選んでいる。
玄米パウダーと黒ゴマパウダー
玄米のもみ殻からパウダー状にしたものと、黒ごまの油分を20%カットしたパウダー。坂井さんは、このふたつを入れて、ごはんを炊く。玄米を浸水させて炊くより手軽で栄養価も高い。
黒糖
喜界島の純黒糖を常備。いつもキッチンカウンターのふたものに入れておき、ちょっと甘いものが欲しくなったら、お菓子代わりにポイと口に放り込む。お茶にもコーヒーにも合う。
逗子の乾物屋で購入する豆類
白花豆や大豆など、葉山の行きつけの乾物屋さんで豆をまとめ買いしておく。夜の間に浸水させておき、朝からコトコト煮はじめる。甘く味つけておけば、毎日の食事の箸休めになる。
チャック式保存袋(サイズいろいろ)
チャック式保存袋は、いろいろなサイズをそろえておくことが大事。春に海岸で採ったひじきをゆでて一回分ずつ小分けにして保存したり、食材以外のばらつきやすい小物の整理整頓にも。
大きめのキッチンペーパー
野菜を保存するときに包んでおいたり、ヨーグルトの水切りに使ったりと、大量に消費するキッチンペーパーは「コストコ」で購入。厚めのタイプなら長持ちするので安心。
田庄ののり
焼きのりは、コレと決めている。味つきではない焼きのりなのに、のり本来の甘味やコクのある味わいがある。使いやすいようにカットして保存容器に入れてストックしている。
エースシート
知り合いの包材屋さんで手に入れるこのシートは、食材などを包んで保存するためのもの。ラップのようにくっつかないので、冷凍庫から出して、すぐにはがして使うことができる。
〈撮影/ヨシダダイスケ 取材・文/一田憲子〉
坂井より子(さかい・よりこ)
1946年生まれ。神奈川・葉山市在住。自宅で料理教室を30年間、続けたあと、近年では、暮らしの知恵を交えた語りが好評を博し、若いお母さんたちのために、お話しの会を開催。著書に『暮らしをつむぐ』(技術評論社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです