(『天然生活』2017年1月号掲載)
坂井より子さんの朝の段取り
05:30
起きたらすぐに身支度 5分

ウエストゴムのスカートに、細身のシルエットのトップスがいつものスタイル
パジャマでウロウロすることはなく、起きたらすぐに顔を洗って身支度を整える。
洋服は、“家着” というものはなく、家の中でも、ちょっと買い物に出かけるときも同じ。
「電車で出かけるとき以外は、いつも同じ服を着ていますね」と笑う。
家で洗える、着心地のいいオーソドックスな服が好きで、スカートは同じ型紙で生地を替えて手づくりすることも。
トップスは寝室の引き出しに、きちんとたたんで、しまっている。

出かけるときにさっと出せるよう、ストール類は玄関の引き出しに。中を紙箱やブックエンドで区切って
06:00
夜に干した洗濯物を取り込み、たたむ 10分

洗濯物を干すのは、「イケア」で買った室内用の物干し。タオルはここ、スカートはここ、と、干す場所もだいたい決まっている。朝までに乾ききらないときは、朝日に当てたり乾燥機にかけたりすることも
かつては自宅で料理教室を開き、お客さまが多かったこともあり、洗濯物を干している光景が目に入るのが気になっていた。
そこで洗濯物は夜に干して、朝には取り込む習慣に。
取り込むと、すぐにたたんで引き出しの中へ。
手でシワをのばしながら、引き出しに合わせてぴしっとたたんでいくのは、気持ちがよくて大好きな作業。

毎朝、家族が起き出してくる前に、洗濯物をきちんとたたむ。それが、心の安定を生む効果も
06:00
夜の献立を考えながら、朝食の支度 30分

この日は、かぼちゃがあったので煮ものをつくっておくことに
朝はおにぎりとお味噌汁と決めているので手軽。支度のついでに、夕食のための準備も。
「夕食のメニューを考えて決めてしまえば、八割方は準備が終わったのと同じですよね」と坂井さん。
その日にある野菜をチェックして、夕食の献立を考え、煮ものなどを一品つくっておく。
そのほかの野菜は、オイルや酢に漬けておくだけで、いろいろな料理にアレンジが利くので便利。

にんじんはオリーブオイルに、玉ねぎは酢とはちみつに漬けておく。きのこのおかか煮は、しょうゆと酒のみの味つけ
08:10
流れ作業で掃除する 5分

掃き掃除は部屋の奥から居間の掃き出し窓へ。ほうきは30年以上も使用
「掃除機を出して……と思うと億劫になるので、私はもっぱら、ほうき派なの」と坂井さん。
毎朝、部屋の奥のウォークインクローゼットからリビングに向かってササッと掃き、最後は掃き出し窓から外へ。
そのほか、お風呂は入り終わったあとに、洗面所は使ったときになど、「ついで」に掃除を。
キッチンは料理中に、しょっちゅうふいて。わざわざ掃除の時間をつくらず、「きれいにする習慣」を暮らしのなかに組み込む。

掃き出しに出しきれなかったごみなどは、少し水で濡らしたティッシュで取る。ちりとりは使わない
09:00
その日ごとの整理や掃除 10分

冷蔵庫の中も、常に使うことを考えて食材がきちんと保存されている
「後まわしにしない」というのが、坂井さんの家事の基本。
買い物から帰ってきたら、野菜をカットして保存容器に入れてしまう。朝、多めにおにぎりをつくったら、余った分は、お昼ごはんの焼きおにぎりに、といった具合。
一歩先のことを考えて、“いま” 手を動かすことで、暮らしがどんどんラクになる。

おにぎりを冷凍するときは、ラップなどはくっついてしまうので、するっと外れるパッケージシートを利用

ねぎは、キッチンペーパーを敷いた細長い密閉容器の中に。最後まで、きちんと使いきることができる
〈撮影/ヨシダダイスケ 取材・文/一田憲子〉
坂井より子(さかい・よりこ)
1946年生まれ。神奈川・葉山市在住。自宅で料理教室を30年間、続けたあと、近年では、暮らしの知恵を交えた語りが好評を博し、若いお母さんたちのために、お話しの会を開催。著書に『暮らしをつむぐ』(技術評論社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです