(『天然生活』2017年1月号掲載)
すっきりをキープするための10カ条
すっきり片づいた暮らしをキープするための10カ条を阿部さんに聞きました。
少しの手間と習慣づけで、快適な暮らしが長続きします。
1 出したらしまう
当然といえば当然だが、物を出す → 使ったらしまう、を繰り返せば、部屋は散らからない。
散らかる主な原因は、読みっぱなしの本や書類、食べっぱなしのお菓子、脱ぎっぱなしの衣類など、 “○○っぱなし” のもの。
出したらしまう、を心がけることがまず大事。
2 ついでにやる
ただでさえ忙しいのだから、さらに片づけるための時間をつくるのは至難の業。
歯みがきついでに洗面所まわりを片づけるなど、片づけは “ついでに” やるのが長続きのコツ。
ついでなので欲張らず、片づけは一カ所に絞って、 “いつもの動き” を妨げないように。
3 忙しいときほど後まわしにしない
「忙しいから、あとでやろう」「時間のあるときにまとめよう」など、人は忙しさを言い訳に、いろいろなことを後まわしにしがち。
でも、忙しいときほど、すぐ判断して片づけることが、一番効率よく短時間ですむコツ。
先に持ち越さず、「いますぐやる」ことを心がけて。
4 大片づけより小片づけ
片づけが苦手な人ほど、「今日はリビング全体」「クローゼットを全部見直す」など、大がかりに取り組んで挫折するもの。
それよりは、引き出しひとつ、書類の山ひとつなど、小さな片づけを積み重ねて。
小片づけ・小掃除を続ければ、大片づけ・大掃除の必要もなし。
5 不便と思ったときが片づけ時
逆にいえば、不便と思わないなら、片づけなくてもよい。
片づけるか片づけないかは、自分が不便と思うかどうかの直感次第で。
そして不便を感じたら、そのときがチャンス。
その気持ちを見逃さず、どうすれば便利になるかを考え、修正して、暮らしの微調整を。
6 定期的なアカ落とし
自分ではすっきり暮らしているつもりでも、時間とともに物が増えたり、要/不要のものが混在したりするもの。
すっきりをキープするには、場所ごとに1週間、1カ月と期間を決めて、定期的な “アカ落とし” を。
このメンテナンスで、すっきりをキープできる。
7 4つのRを考える
いらないものは家に持ち込まない=Refuse(断る)
買うなら、その分、物を処分=Reduce(減らす)
いま眠っているものを再利用できないか考える=Reuse(再利用)
物を循環させる=Recycle(再生)
物を買うとき、使うときは、4つのRを頭に入れて。
8 買うときは3度考える
衝動に駆られて、むだな買い物をしないためには、
① 物を見ながらよく考える
② 家に帰って再度考える
③ 持っているものを見て何かで代用できないか考える
と、3度考えるのがおすすめ。
それでも必要なら買いにいき、売れていたら縁がなかった、ということ。
9 暮らしの変化を見逃さない
「子どもが成長して、家族でキャンプに行かなくなった」
「ホウロウ鍋が昔より重く感じられるようになった」
など、家族も自分の体も変化するもの。
そんな変化に目を向けて物の要/不要や収納を見直すことが、 “いま” にフィットする快適な暮らしにつながる。
10 解放区をつくる
出したらしまう、後まわしにしないなど、ここまでキープするコツを紹介したけれど、完璧を目指すと、長続きしないのも事実。
とりあえず置いていい “解放区” や “とりあえず箱” をつくって、ときどき息を抜くのも大切。
ただし、ここも定期的に片づけるように。
〈監修/阿部絢子 取材・文/宇野津暢子 イラスト/古谷充子〉
阿部絢子(あべ・あやこ)
生活研究家・消費生活アドバイザー。薬剤師として洗剤メーカーに勤務後、独立。合理的かつエコな家事や整理収納など、生活の提案を行う。世界各国にホームステイし、その国の暮らしぶりを見つめる研究も続けている。著書に『老親の家を片づける ついでにわが家も片づける』『老いのシンプル節約生活』(ともに大和書房)、『ひとり暮らしのシンプル家事』(海竜社)など多数。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです