(『天然生活』2018年1月号掲載)
段取りも準備も、自分にとってのベストを見つけるのが楽しい
東京で長年、ファッション誌の編集者として活躍してきた德田民子さん。
現在は夫の裕二さんとともに長野・安曇野の一軒家に住み、暮らしやファッションにまつわる仕事を続けています。
東京から到着した取材陣をやさしく迎え入れたあとに、「さて、どの順番から撮影しますか?」と、事前に準備した内容を解説してくれました。
その段取りの素晴らしいこと! おかげで取材は実にスムーズに進み、「さすがは段取り上手」と感嘆するスタッフ一同。
「段取りって、人や物がスムーズに活動できる下準備のことだと私は思っています。ものごとがパッパッとテンポよく進んだり、あるべき場所に収まったりするのが楽しいし、好きなのよね」
そう話す德田さんからは、家事を、やらねばいけない「義務」としてとらえている雰囲気はなく、どことなく楽しげです。
「たとえば雑巾がけみたいな家事でも、『いままでは長い距離を往復するやり方だったけど、こまめに折り返す方法だとどうかしら?』なんて考えると、次に試すのが楽しみになってくるの」
漠然と行うとつらく感じる家事も、自分で考え、工夫という要素を取り入れると、「楽しみ」に変換できる。
そんな切り替えが、日々、習慣化されているようなのです。
德田さんの朝時間
06:15 ウッドデッキでストレッチ
朝から活動的に動けるように
起きてすぐ、庭に面したウッドデッキで体を動かす。
春夏はもちろん、空気が冷える秋冬でも、極力、外の空気を吸いながら行うように。
「手足を伸ばしたり、腰をひねったりするくらいの簡単な体操ですが、体を柔らかく保つために、毎日、続けるのがコツ。朝一番に動くことで、一日、スムーズに体が動きます」
07:00 朝食は冷凍パンや前日のごはんをアレンジ
手早く栄養満点な「いつもの味」
朝食はパンかごはん(焼きおにぎり)の炭水化物にサラダ、ヨーグルトという組み合わせが定番。
メニューが決まっていれば、頭で考えずに体が自動的に動く。
ヨーグルトにはバナナなど果物とナッツ類を、サラダにはごまやかつお節などをそれぞれトッピングし、量は少なくとも栄養価を増やす工夫を。
08:30 庭の手入れは毎日こまめに
午前中に効率よく作業を
雑草取りに芝刈り、庭木の剪定に落ち葉拾い。庭仕事はやることが満載で、ためてしまうと、あっという間に山積みに。
午前中にとりかかることで、気分よく進む。
ちなみに、自宅の庭だとしても、気分が上がるコーディネートを考えて着ると、元気が出て、庭仕事も自然とはかどるそう。
10:00 買い物は3日分まとめて
むだな買い物を防ぎ、食のバランスもとれる
「田舎暮らしをしていると、外食をあまりできない分、毎日の食事は楽しみのひとつ。『何食べたい?』と、夫と話しあいながらメニューを決めています」
事前に話しあい、メモを取ることで余計なものを買うこともなくなり、3日というサイクルがほどよいので、気候や気分の変化にも対応ができるそう。
朝の段取りの味方
德田さんの朝の時間割
06:00 起床 ベッドの中で軽く足上げなど
06:15 ストレッチ
07:00 コーヒーで一服、朝食の支度
07:30 朝食 食後に片づけ
08:30 庭の手入れ、ジャムや布ものの手づくり
10:00 買い物または散歩
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
德田民子(とくだ・たみこ)
雑誌『装苑』などの編集長を務め、退職後の2008年から、フリーのファッションコーディネーターとして幅広く活躍。2009年、夫とともに長野・安曇野に移住。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです