日々の家仕事を上手にまわすためには、朝と夜の時間の使い方が重要です。ファッションコーディネーターの 德田民子さんに「夜の段取り」を伺いました。
(『天然生活』2018年1月号掲載)
台所や部屋を整えてリセット。ちょっとした明日の準備を忘れずに
德田さんの朝と夜の段取りには、一日をスムーズに気持ちよくまわすための工夫が随所に盛り込まれています。
朝ごはんは定番のメニューを決め、前の晩に下準備したものもうまく活用することで、悩まなくても自然に体が動くようにしておく。
こまめに冷蔵庫をチェックし、在庫を確認したうえで献立を決めてから買い物に行くので、食材をむだにしない。
そうして「やらねばいけない」家事をスムーズに進めておくことで、日々の楽しみである散歩や、お菓子づくり、縫いものなどに、時間を割くことができるのです。
そして夜には台所や部屋を整えてリセットするとともに、翌朝の洋服や朝食など「明日の準備」に割く時間をもつことも忘れません。
「本当に、ちょっとしたことなの。ごはんを炊くならお米をといでおいたり、着たいコーディネートを考えておいたり。簡単にでも段取りしておくと、お布団の中で『あれはどうしよう』とあれこれ考えずに安心してぐっすり眠れるし、朝、すっきり目覚められれば一日を活動的に過ごせて、夜はストンと眠ることができる。もちろん人間ですから、すべてうまくいく日ばかりではないけれど、自分らしいリズムでものごとが運んでいくと快適だし、暮らしそのものを楽しめている気がするんです」
德田さんの夜時間
20:00 洗濯して室内干し
翌朝、すぐに外に干せる準備
お風呂から上がると、「ためておくのが嫌で」と、その場で洗濯機を回してしまうという德田さん。
冬は気温がマイナスになる日も多い安曇野は、朝に干しても夕方までに乾かないことがほとんど。
夜のうちに干しておけば、薪ストーブの余熱で半分ほど乾き、翌朝、もの干し台ごとウッドデッキに移動するだけでOK。
20:30 キッチンの片づけ
翌朝に気持ちよく朝食の準備ができる
朝一番から気持ちよく朝食の準備にとりかかれるように、キッチンまわりは寝る前に必ず片づけ、リセットしておくという德田さん。
道具類は、使わないものは潔く処分し、戸棚やスチール製ワゴン、作業台上のバーなど必ず定位置を決め、そこに収める。
シンクまわりもふきんできれいにふき上げ、ピカピカに。
21:00 明日、着るものをそろえておく
朝の身支度がスムーズに
「明日は雨なので、元気が出るオレンジ色を着よう」「気温が下がりそうなので、ダウンのコーディネートを考えようかな」など、翌朝に着る服を事前に考え、寝室にセットしておく。
「朝の支度がすみやかになるだけでなく、日常の服こそ自分らしいおしゃれを楽しむことで、明るく元気でいられる気がしています」
21:00 冷蔵庫の中身をチェック
翌朝の献立を確認して朝の準備
1段目にはジャムなどのストック品、2~3段目にはすぐに食べるもの、4段目には常備菜。
用途別に置き場所を決め、毎日必ず、中身をチェック。調味料や乾物類の在庫チェックをするとともに、翌日の朝のメニューも確認。
この習慣があるおかげで、冷蔵庫に余分なものが残らず、いつでもすっきり。
夜の段取りの味方
德田さんの夜の時間割
17:00 入浴、夕食の支度
18:00 夕食
19:00 晩酌代わりのデザートタイム
20:00 洗濯
20:30 キッチンの片づけ
21:00 明日の準備、英語の勉強、手づくりの続き
22:30 就寝
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
德田民子(とくだ・たみこ)
雑誌『装苑』などの編集長を務め、退職後の2008年から、フリーのファッションコーディネーターとして幅広く活躍。2009年、夫とともに長野・安曇野に移住。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです