(『天然生活』2018年1月号掲載)
子どもたちとの時間を存分にもつための朝の段取り
「私、段取りが苦手です。ヘタな人代表といっていいくらい。必要に駆られてしているだけで、段取りという意識もなくて。無理のない範囲でしています」
そう謙遜するセキさんは、現在、お仕事は育児休業中。3年前に葉(よう)ちゃんを養子に迎え、さらに2017年春には葉ちゃんの弟、琉翔(るいと)くんを家に迎え入れました。
もともとはデザイナーとして東京・青山に事務所を構え、終電帰りは当たり前という日々を過ごしていましたが、いまの生活の中心はすべて子どもにと、ガラリと暮らしぶりが変化しました。
「葉は生まれて7日の新生児のときに、わが家にやってきました。何もかもが初めての経験だったので、てんやわんや。寝かしつけるのに苦労したりと、体力的には大変でしたけど、気持ちはワクワクして、育児のひとつひとつが新鮮で、楽しかったです」
琉翔くんがやってきて、家事の負担は倍増。すべてを完璧に、きちんと行うのは不可能です。
そこでセキさんは、「これだけは」という最優先事項を決めました。
「できるだけ安心な食材を使い、手づくりのごはんを食べさせたい。そして、すこやかな体づくりのために、自然のなかで存分に遊ばせたい。それさえ守れば、あとは少しゆるくてもいいかなと思って」
セキさんの朝時間
05:30 トイレ掃除は毎朝起きたらすぐに
汚れもたまらず、短時間ですむ
セキさん宅は、やんちゃなねこ2匹も家族。
朝起きたら一番に、床に散らばったトイレの砂を掃除することがお決まりで、ついでに人間が使うほうも、一緒にさっときれいに整える。長年、使い込んだ棕櫚のほうきで軽く掃き、雑巾がけを。
「毎日、行っていれば汚れもたまらないし、掃除も短時間で済みます」
05:30 メールチェックは朝にまとめて
子どもの起床前に効率よく仕事ができる
現在、娘の葉ちゃんは「私を見て見て」と、自分に注目を集めたい時期。
ママがパソコンに向かうと、じゃまをしてくるので、じっくり行いたいメールの確認や返信は朝にまとめて。
とくにルールは決めていないものの、パソコン仕事は基本的には朝が中心で、用事が終わったら、すみやかに閉じておく。
06:30 朝食とお弁当の準備と夕食の下ごしらえ
夕食づくりが短時間でできる
腹持ちのいい根菜は、ホクホクに蒸して、お弁当のおかずにすることが多い。夕食はこれを活用してポタージュに。
そのほか、ごはんを多めに炊いて晩に蒸し直したり、野菜の下ゆでを行い、すぐ味つけができるようにしておいたり。
朝にちょっとした下ごしらえをしておくことで、夕方の自分がうんと楽に。
08:30 子どもの服の穴は見つけたらすぐ繕う
繕いものをためない
遊びたい盛りなので、服のほつれや穴あきは日常茶飯事。朝の着替えをさせるときに見つけたら、その場で針と糸を取り出し、さっと繕ってしまう。
「ためると大変なので、そのつどやっておくほうが楽。手を動かしている姿を見せることで、いずれ自分で繕いができる子に育ってほしいな、という願いも込めて」
朝の段取りの味方
セキさんの朝の時間割
05:30 起床(遅いときは6時30分) トイレの掃除 メールチェック
06:30 朝食の支度
07:00 朝食
07:30 お弁当を詰める
08:00 洗濯、たまに掃除機がけ、繕いもの
09:10 自主保育に出発
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
せき・ゆりを
2000年から「サルビア」の活動をスタートし、古きよき日本の伝統文化に学びながら、いまの暮らしに寄り添うものづくりを提案。
http://salvia.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです