• 季節の変わり目の洗濯。直接肌にふれる衣類だからこそ、体にも自然にもやさしい「無添加の石けん」を使って洗濯してみませんか。
    合成洗剤やドライ溶剤を使わない「石けんクリーニング」を30年近く行っている「白栄舎」の茂木孝夫さんは、著書『家庭でできるカラダにいい洗濯術』の中で、自宅で気軽にできる石けんの洗濯について紹介されています。今回は、ダウンウェアの洗い方を教えていただきます。
    (『家庭でできるカラダにいい洗濯術』より)

    春の衣替えに。ダウンをおうちで気軽に「石けんクリーニング」

    画像: 春の衣替えに。ダウンをおうちで気軽に「石けんクリーニング」

    ダウンウェアをクリーニングに出しても、「値段が高いのにキレイにならない……」と、よく耳にします。

    ところが、羽毛(ダウン・フェザー)は、とても水に強い素材なのです。水鳥の羽根ですから当然ですが、製品化する前に何回も水洗いされているので、安心して家庭で洗ってください。

    環境にも体にもやさしい水と石けんの洗濯で、ほわほわサッパリ。家庭で気持ちのよいクリーニングが味わえますよ。

    ダウンを洗う前の準備

    まずは洗濯マークをチェック

    画像: まずは洗濯マークをチェック

    タグに上図のようなマークがあれば家庭で洗濯機か、手洗いで洗濯ができます。

    素材チェック

    表地の素材がポリエステル100%なら、ほとんど家庭で洗えますが、皮やシルクは水洗いできません。

    「水洗い不可」となっている場合は、自己責任でご判断ください。またデリケートな素材やウール、ポリエステル、アクリルなどの混紡素材は、裏返して弱洗い、脱水は普通に行ってください。

    用意するもの

    粉石けんまたは固形石けん・40℃ぐらいのお湯・洗濯ブラシ or 古歯ブラシなど

    エリ、そで口などの汚れを取る

     汚れているエリやそで口にお湯をかける

    エリ・そで口・前身頃など汚れている箇所に、40℃ぐらいのお湯をかけます。ウールやデリケートな素材は水を使用します。

     粉石けん、または固形石けんをつけたブラシで軽くこする

    画像: エリ、そで口などの汚れを取る

    粉石けん、または固形石けんをたっぷりつけた洗濯ブラシや食器洗い用スポンジなどで、汚れたところをたたき、軽くこすります。汚れがひどい場合は、ていねいにこすると驚くほどきれいになります。

    表地が薄くやわらかい素材の場合は、やわらかいブラシか、スポンジなどで傷つけないように注意してください。

    フェイクファーがついているフードは、取り外して手洗いをします。乾いたら清潔なヘアブラシなどで整えると新品同様によみがえります。

    基本の洗濯水のつくり方

    全自動洗濯機の場合

     低水位に水を入れたら、洗濯機を回しながら適量の粉石けんをパラパラとふりかけるように入れます。

    画像1: 全自動洗濯機の場合

     しばらくたってこんもりと泡立ったら、いったん止めます。

    画像: 泡立ちがポイント。慣れればカンタン、石けん洗濯は泡立てから

    泡立ちがポイント。慣れればカンタン、石けん洗濯は泡立てから

     泡立ったなかに洗濯ものを入れ、その量に合わせて水位を設定して水を再注入。洗濯機を回します。

    画像2: 全自動洗濯機の場合

     しばらくして、しっかり泡立っていたら、これでOK! 洗濯開始。

    もし、泡立ちがよくない場合は?
    粉石けんを足さずに、液体石けんを少量ずつ足して洗濯機を2~3分回してようすをみてください。途中で粉石けんを足すとよく混ざらずに、洗いムラや石けんカスが衣類に付着する原因になります。

    ドラム式洗濯機の場合

     最初に粉石けんを入れて、その上に洗濯ものを入れてスイッチオン。

     しばらくして泡立ちがよくなければ液体石けんを洗剤投入口から少量加え、水またはぬるま湯も少量注入。

     3分ほどして泡が立っていたらOK! 洗濯開始です。

     泡立ちが足りなかったら、液体石けんを足してください。

    ダウンウェアの上手な洗い方

    全自動洗濯機の場合

     洗濯機の石けん液の中に、ダウンを入れる

    「基本の石けん液」の中にファスナーを閉じたウェアをたたんで入れます。

    画像3: 全自動洗濯機の場合

     ウェアを洗濯機に沈める

    ダウンは空気を多く含んでいるため浮いてきますが、浮きあがらないように手で押しつぶして底に沈めます。なかなか沈まない場合は、水中で部分的に握りつぶすようにして空気を抜き、沈めたら普通コースで洗います。デリケートなやわらかい表地素材は、ネットに入れて手洗いコースで洗い、脱水は強で行いましょう。

    画像: 浮き上がらないように手でギュッと抑える

    浮き上がらないように手でギュッと抑える

    ドラム式洗濯機の場合

    粉石けんとウェアはいっしょに入れ、普通コースで

    画像: ドラム式洗濯機の場合

    粉石けんとウェアをいっしょに洗濯槽に入れ、普通コースで洗います。

    ダウンは水を含むと小さく重くなるため、脱水時にバランスが取れず、エラーになることがあります。エラーを防ぐためには、ダウンウェアを3着ほどまとめて洗うか、タオル類や他の衣類といっしょに洗うことをおすすめします。ファーが付いているダウンウェアは、あらかじめ外して手洗いしてください。

    干し方のコツ

     仕上げ方でクオリティがアップ

    画像1: 干し方のコツ

    洗いあがったらすぐに取り出し、ハンガ―にかけて風通しの良い室外で、自然乾燥してください。

     手でパンパン 、が効果抜群

    画像2: 干し方のコツ

    乾いたら、手のひらでたたいて膨らませてできあがり。羽毛がかたよってしまったら手でほぐし、手のひらでたたきます。それをくり返せば元通りに。家庭用乾燥機があれば、自然乾燥のあと1着5分ほど乾燥させると膨らみます。

    コインランドリーの大型乾燥機なら、4~5着のダウンウェアが一度に膨らんでふっくらします。

     

    本記事は『家庭でできるカラダにいい洗濯術』からの抜粋です。
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    画像3: 干し方のコツ

    茂木孝夫 (もぎ・たかお)
    有限会社 白栄舎クリーニング 代表取締役。1964 年、東京小金井市生まれ。小金井で父親の代からのクリーニング店を継ぐ2代目当主。人の健康や生態系に有害な恐れがあるとされる化学物質を含む合成洗剤は使わず、ドライクリーニングの使用も最小限に止め、ほとんどの衣類(スーツ、コート、ニット他)や寝具など、石けんと水でクリーニングするウェットクリーニング(一部、水洗いできないものは、ドライクリーニング)で行う。著書に『家庭でできるカラダにいい洗濯術』(コスミック出版)がある。


    画像: ダウンウェアの洗い方|クリーニングのプロに教わる、おうちで石けんクリーニング

    『家庭でできるカラダにいい洗濯術』(コスミック出版)

    『家庭でできるカラダにいい洗濯術』(コスミック出版)|amazon.co.jp

    著者/茂木孝夫
    編集制作/風力5 相良高子・中村史江
    写真/須藤英一
    イラスト/赤星たみこ

    定価:本体1,000円+税

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