• 東京・秋葉原にある、カフェ風精進料理のお店「こまきしょくどう」おかみの藤井小牧さんによる、日々の暮らしや食などを綴る連載です。精進料理のレシピもときどき紹介。今回は、かぼちゃの話と、オーブンで焼くタイプの「かぼちゃのごまあえ」のつくり方です。

    かぼちゃの顔

    毎週頭、農家さんから旬の野菜がリストアップされた注文表がメールで届くので、印をつけて返信をしています。いままではおまかせで頼んでいたのですが、最近このような注文方法に変わりました。

    どんなものが旬なのか先に知らせてくださると、配達日に頼んだものが届くとわかっていながらも、季節を感じられてうれしい。

    いまの時季は、リストにあれば「かぼちゃ」を頼みがちです。

    画像1: かぼちゃの顔

    私も好きですし、お客さまにも人気なので、10月からはわりとレギュラーでメニューに登場しています。かぼちゃは年中お目にかかりやすい野菜ですが、旬は2回あります。収穫時期の夏の旬と、食べるとおいしい冬の旬です。

    かぼちゃが収穫できる夏ごろは、水分が多く食感もいわゆる「ほっくり」ではなく「シャキッ」としています。貯蔵することで水分が抜け、デンプンが糖に変わり、冬ごろには甘くほっこりとした味と食感になるのです。

    いまは流通もいろいろなので、世界中から年間を通じて「ほっくりかぼちゃ」を食べることができますし、便利な「蒸し冷凍かぼちゃ」だってあります。

    かぼちゃは日本では古くから親しまれており、地方種も多く、仕事で地方を訪れた際に出会ったかぼちゃは、とりあえず買って切ってみたものです。

    片手で持てる「坊ちゃんかぼちゃ」、外側が白いラグビーボールのような「なた割りかぼちゃ」、イボイボの皮をした「ちりめんかぼちゃ」、失礼ながら肩叩きに適している長細いひょうたん型の「鶴首かぼちゃ」などは丸くないため中心に種がないタイプです。

    似ている形で最近人気の「バターナッツかぼちゃ」は、スープなどにするとおいしいです。かぼちゃといっても実にさまざま。

    野菜の顔を見て調理方法やメニューを考えるには、まずは切ってみないと始まりません。最近はネットで調べてその特徴を知ることが多くありますが、初めて出会うものに刃を入れて、パカッと開いた時のワクワクもやっぱり楽しい!

    フランスへ料理教室をしに行った20年前、海外で初めて出会ったかぼちゃは皮がオレンジ色で、その時代の日本では、いまのようにハロウィンの文化が普及しておらず、絵本や写真でしか見たことのないかぼちゃに感動しました。

    料理教室用の材料を自分で買いに行きたかったので、語学不堪能ながらもなんとか覚えたフランス語で食材の使い方などを現地の方に教わりました。見た目と味が日本の感覚とは違うので、その国の食材で精進料理を教えるには変換が必要なのです。

    たくさんの種類から、当時の教室の料理に適しているかぼちゃを教わりました。

    とにかく「poitimarron(ポチマロン/栗かぼちゃ)」「potiron(ポチロン/かぼちゃ)」だけ覚えて行きなさい! と。何度か発音の練習をしていただいたことから、あれからいまだに日本の顔をしたかぼちゃを見ても、フランス語の発音を思い出します。

    さて、注文していたかぼちゃが手元に来ました。「えびす南瓜」という品種で、ほっくりおいしい。

    画像2: かぼちゃの顔

    店では焼いてごまあえにすることが多いです。

    ◇ ◇ ◇

    「かぼちゃのごまあえ」のつくり方(つくりやすい分量)

    画像1: 「かぼちゃのごまあえ」のつくり方(つくりやすい分量)

     オーブンを180℃に予熱する。

     かぼちゃ中1/2個を食べやすいサイズ(3cm角くらい)に切り、ボウルに入れる。

     に、米油大さじ2と塩小さじ1を入れ、よく混ぜる。

     天板にクッキングシートを敷き、を重ならないように平たく並べる。

     180℃に予熱していたオーブンで20分焼き、一度ふたをあけ、かぼちゃをゆすって火のあたりを変え、温度を160℃に下げて15分焼く。

     かぼちゃを焼いている間に、鍋に白味噌大さじ3、みりん大さじ2、白すりごま大さじ4、水100mLを入れて、中火にかけて練る。

     水分がだいぶ飛んだところに焼き上がったかぼちゃを入れ、軽く混ぜて完成。

    ◇ ◇ ◇

    店ではシンプルにしていますが、ナッツやシナモン、ホールペッパーなどを入れてもおいしいです。

    かぼちゃは焼くことで水分が飛び、甘味が凝縮されて、あえ衣にも負けない味になります。冷めてもおいしいので重宝しているレシピです。

    買い物に外に出ると、ビル群の中に今年も木蓮の蕾が膨らみ始めていました。畑や木々もこれから春を迎えます。

    次はどんなメニューにしようかな。



    画像2: 「かぼちゃのごまあえ」のつくり方(つくりやすい分量)

    藤井小牧(ふじい・こまき)
    東京・秋葉原にある「カフェ風精進料理 こまきしょくどう」店主。臨済宗僧侶であり、精進料理家としても知られる藤井宗哲氏と、精進料理家の藤井まり氏との間に生まれ、幼いころより精進料理とともに育つ。現在はお店に立つかたわら、東京の生産者・加工業者を応援する活動「メイドイン東京の会」にも参加している。著書『こまき食堂』(扶桑社)が発売中。

    ホームページがリニューアルしました。
    こまきしょくどう 鎌倉不識庵
    https://www.kamakura-komaki.com/

    ウェブショップもできました。
    こまきしょくどう商店
    https://gomagomagohan.stores.jp/

    ※ ※ ※

    天然生活の本『こまき食堂』(藤井 小牧・著)

    天然生活の本
    『こまき食堂』(藤井 小牧・著)

     

    天然生活の本『こまき食堂』(藤井 小牧・著)

    amazon.co.jp

    B5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN978-4-594-08460-8



    今月号のプレゼントを見る

    お得な定期購読はこちらを
     (富士山マガジンサービス)

    おいしいもの,レシピ,読みもの,連載,こまきしょくどう,精進料理

    This article is a sponsored article by
    ''.