(『機嫌よくいられる台所 家事をラクにするためのマイルール』より)
ものの指定席をつくる
「台所のすべてのものに指定席があるんです」という坂井さん。
「大きさ、形状、用途の異なるさまざまな台所道具や食器、食品を、自分にとって最も使いやすいよう配置しています。どこに何があれば使いやすいのか、長年の主婦経験をもとに考え続けてきました」
たどり着いた基本の形は「よく使うものを一番取り出しやすいところに置く」こと。
代表的なのが調味料です。塩、砂糖、小麦粉や片栗粉などの粉類は蓋付きの瓶に詰め替え、シンクの後ろにある収納棚の中央部に並べて配置。目線の高さに使用頻度の高いものを置くと、取り出しやすく便利です。
しょうゆ、みりん、酒、酢、オリーブオイル、ごま油といった液体状の調味料は、細口の瓶に詰め替えてポアラー(ガラス瓶の注ぎ口につけて、液体を注ぎやすくするもの)を装着し、まとめてトレーにのせてコンロの横に。調理する際に、サッと手を伸ばすだけなので使いやすいそう。
「調味料は大容量のものを買い、コンロ下の引き出し収納にまとめて保管。それを小分けにして使うんです。重たい容器を使うたびに持ち上げるのは大変だし、大きなボトルは場所を取るから。ガラス瓶に詰め替えると中身が見えるのも便利ですね。ポアラーもおすすめ。蓋を開ける手間が省けるから片手で持ち上げて注げるし、一度にたくさん出すぎることもない。『どこに置くか』だけじゃなく、『どうやって置くか』も考えて決めると使いやすくなります」
〈撮影/公文美和 文/片田理恵〉
当記事は『機嫌よくいられる台所 家事をラクにするためのマイルール』(家の光協会)からの抜粋です
坂井より子(さかい・よりこ)
主婦。1946年生まれ。神奈川県葉山在住。子育てがひと段落舌30年前、自宅で料理教室を開催したことをきっかけに、家庭料理の作り方や暮らしの知恵を伝える活動を始める。主婦歴50年の経験と学びを活かした言葉は世代を超えて多くの共感を呼び、雑誌や書籍などで広く取り上げられるように。著書に『暮らしをつむぐ より子式・日々の重ねかた』(技術評論社)などがある。夫と娘夫婦、息子夫婦、孫3人との3世帯同居、9人暮らし。
※ ※ ※